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米サブプライム問題の要因は「算数の能力不足」に低金利、消費税増税に煽られ日本版サブプライム危機も

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米研究チーム:サブプライム利用者の数字能力、財務知識、言語能力を調査
平成20年9月のリーマンショックから5年が経ち、米アトランタ連邦準備銀行など研究チームは、世界的金融危機の引き金にもなったサブプライムローン(低所得者、低信用度者向け住宅ローン)利用者を対象に調査をまとめ米科学アカデミーに発表。サブプライムローン利用者の数字を扱う能力や財務知識、言語能力などを調査した結果、サブプライム問題の根本的な原因は、借り手の「基本的な算数の能力不足が原因」であったかもしれないとまとめられました。
住宅ローンの場合、固定型金利では毎月、毎年の返済額を把握することができるものの、変動型金利では半年に一度、金利が見直され1%金利が上昇すれば月々の返済は元金比率が多いため数万円上がることもあったのです。。

急増した変動型金利ローン:半年先の金利はプロでも予測不可能
日本の金融機関などウェブサイトには、住宅ローンの返済シミュレーションなどが用意されているものの、金利だけはプロでも様々な要因から確実に予測することは不可能です。
住宅金融支援機構が8月30日発表した「民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、今年6月の住宅ローン金利別利用者数では変動金利が44.6%と前月の32.6%から大幅に上昇。一方、全期間固定型は19.9%と前月の36.1%から急減。低金利競争が激化する金融機関やメディアの影響か史上最低金利の変動型を選ぶ利用者が急増しました。
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変動金利型の利用者調査:変動金利のルール、リスク「よく知っている」は3割に満たず
住宅金融支援機構の平成13年以降の実態調査をみると、変動型金利を選んだ利用者のうち変動金利のルールやリスクについて「よく知っている」と回答したのは3割にも届きません。かつて、バブル崩壊後に公共投資だけでは景気浮揚に繋がらなかった政府が、旧住宅金融公庫に導入させた「ゆとり返済」が思い出されます。
当時政府は、若年層や低所得者層に住宅取得を促すため、最初の5年間だけ利払いを減らした返済額を設定。6年目からは右肩上がりの賃金上昇が予想され、返済額も大幅に上がる住宅ローンに安心感を与えましたが、その後の不況で計画が狂い返済できずローン破綻となり競売が急増しました。その住宅ローンの「罠」がまた仕掛けられるのか新たな住宅取得支援策が報道されました。

国交省、住宅取得支援「フラット35」頭金0、また「罠」?
国土交通省は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定型の住宅ローン「フラット35」を頭金なしでも利用できるよう検討を始めました。フラット35は、住宅金融支援機構が民間金融機関を通じ融資され、いわば国が住宅取得を支援する住宅ローン。頭金なしでの住宅取得を促しています。
急速に進むグローバル化に日本経済は低迷し、今や労働力の3分の1は非正規社員。終身雇用は崩れ、中小企業など賃金上昇は進まず住宅ローンは証券化はされないものの、このままでは日本版サブプライムローンになる可能性があります。住宅ローンで自宅購入を検討する方は、回りの環境に煽られず、焦らずしっかり自身の人生設計を検討してから決断しましょう。

[2013.9.25]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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