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相次ぐ出火・発煙トラブルのJR北海道、非電化区間続く長距離ディーゼル特急の限界?異例の減速、減便ダイヤ改正

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導入から20年近く経過する車両は限界か
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JR北海道は9月4日、特急列車の減速・減便を柱とする11月上旬のダイヤ改正の方針を発表。相次ぐ特急列車の事故を受け、安全確保が第一と判断し、異例の対応に踏み切りました。減速・減便により導入から20年近く経った「283系」の車両に余裕を持たせる方針です。
JR北海道では今年だけでも、特急列車から出火や発煙トラブルが7件相次ぎ、国土交通省への再発防止策では整備体制の欠陥を認め減速を含めた対応を検討するとしていました。同社では、減速・減便のダイヤの終了時期は未定としています。

最高速度130kmは10〜20km減速、減便で故障時の切替えスムーズに
11月からのダイヤ改正は、整備時間を十分確保し、安全性を向上させるため最高速度130kmの特急列車は10~20km減速。減便により少しでも異常のある車両があれば切り替えやすくする方針。減速・減便によるダイヤ改正は、昭和62年JR北海道発足以来初。鉄道会社としても異例の対応です。
日本の鉄道技術は、海外からも発注されるほどに世界最高水準でありながら、なぜ北海道だけでこれほど事故が相次ぐのか疑問も残ります。また、事故の懸念があるのであればなぜ11月からダイヤを改正するのか。なぜ、すぐに改正しないのか。ダイヤ改正による混乱を避けるのも理解できるものの、最優先は利用客の安全と十分な整備時間を確保です。

高速化には車両の下に発電機を持つディーゼル列車に頼るしか
広大な北海道は、札幌に一極集中し費用対効果面で幹線のほとんどが非電化。特急列車はディーゼル列車に頼っているのが現状です。本来、ディーゼル機関車が客車をけん引するのが主流であり、広大な土地をのんびり旅する利用者のニーズがある一方、高速化を求める利用者もあります。格安航空や高速バスなど競合もあり、鉄道高速化を考えると車両の下に発電機を備えたディーゼル列車に頼るしかありません。
デーゼル列車は、130kmを維持するためにこれまでカーブに合わせ自動的に車両を傾斜させる「振り子方式」など独自の技術力で運行。ここ数年の事故は列車の疲労か、異常気象による起因か、整備技術の伝承不足か懸念されます。

JR北海道:「経年劣化に見合う整備ができなかったことが反省点」
JR北海道では、将来的に特急列車の速度を元に戻すものの、まずは安全を最優先。経年劣化に見合う整備ができなかったことが反省点としています。JR北海道は蒸気機関車が最後まで残ったことでもわかるように、電化区間が少なく路線の距離も長距離。ほかの地域でもディーゼル特急列車は走るものの長距離は新幹線に任せ、距離は限られて長距離運行は実在しません。

新幹線の開通で変わるJR北海道
平成27年度末には新青森・新函館間の新幹線開業が予定され、札幌までの延伸も認可されました。

[2013.9.9]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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