楽天:電子書籍事業本格化/アマゾンに対抗!コンテンツ拡充、書店と連携
楽天:電子書籍事業を強化/ベストセラー本「年内に100%電子化」
楽天株式会社(東京都品川区東品川4‐12‐3/代表取締役会長兼社長:三木谷浩史氏)の電子書籍専用端末「kobo(コボ)」の取り扱いコンテンツ数はこれまでに13万点を突破。現状では、ベストセラータイトルの70%を電子書籍化できているとのことですが、5月22日に開催した事業戦略説明会で三木谷社長は「6月中に80%、年内に100%にもっていきたい」と目標を掲げました。
同社は今後、1440×1080ドットと高解像度のディスプレーを持つ電子書籍リーダー「kobo aura HD」の投入を予定。ベストセラータイトルの電子化、端末の強化などを推進していくことでユーザーの満足度を高めると共に、さらなる認知度拡大を目指し、書店との連携強化にも注力する姿勢を見せています。
電子書籍の売上を書店に配分
電子書籍の普及により、既存の書店への影響が懸念されていますが、楽天は、koboを販売した店に対し、その端末用に楽天が販売した電子書籍の売上高の一部を配分する「レベニューシェア方式」を取ることを発表。電子書籍の利益を還元することで書店の協力を得て、市場の活性化につなげる考えです。
三木谷社長は「単純に端末を売ってもらうだけでなく、コンテンツ売り上げをシェアする戦略」と説明し、書店に対し「ウィンウィンの関係を築きたい」と、販売パートナーとしての参加を呼びかけました。
取次3位の大阪屋買収へ
6月4日には、楽天が出版取次会社で業界第3位の株式会社大阪屋(大阪市西区新町2丁目5‐5/代表取締役社長:南雲隆男氏)を傘下に収めることも報じられました。大阪屋が7月にも実施する第三者割当増資について、楽天と、大手出版社の講談社、小学館、集英社と、大日本印刷が出資を検討しているとのこと。
同日、楽天は「現時点で公表すべき事実はない」とコメントを発表しましたが、楽天が3割超を出資する筆頭株主になると見られています。
書店との連携強化でアマゾンに対抗
出版界の中枢でもある出版取次業にIT企業が本格参入するのは過去に例がありません。
これには、楽天の物流システムを活用することで、注文品の書店への配送をより速くするなどの狙いもあるとのこと。大阪屋と取引のある全国約2,000軒の書店で、インターネット通販「楽天市場」で購入した書籍などを消費者が受け取れるようになるなど、消費者にとっても利便性が向上します。また、ネット通販との共通ポイントの導入も提案されており、ネット書店大手の米アマゾンとの競合も過熱することが予想されます。
[2013.6.11]
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