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住宅ローン金利上昇!日銀・黒田総裁の誤算か?金利上昇局面で固定型へ活発な動き

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10年固定型で0.05%上昇、昨年10月以来、7ケ月ぶりの高水準
三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそなの大手各行は、5月1日から住宅ローン金利を引上げました。金利引き上げは、長期金利の上昇に伴い10年固定型で0.05%引上げ1.4%と昨年10月以来、7ケ月ぶりの高水準となりました。住宅ローンの金利引き上げは4ケ月ぶりとなります。
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長期金利の指標となる10年物国債の利回りは、日銀が異次元金融緩和を発表した4月4日以降、0.3%台に下がったものの、直近では0.6%ほどで推移。金融機関では、固定型の住宅ローンの金利を10年物国債の金利に連動させるため今回の引き上げとなりました。

日銀:政府発行の国債、大口買い手となるはずが・・
金融機関では、住宅ローンの金利を国債の金利に一定率を上乗せし設定。国債の金利上昇で住宅ローンの金利も自動的に引き上がるしくみとなっています。国債は買い手が多くなれば品薄となり金利も下がる金融商品。4月の想定外だった黒田バズーカ砲は、日銀が自ら政府発行の国債の大口買い手となり金利を引き下げる狙いであったものの、値上がり期待の投資家が国債に殺到。予想以上の国債の買い手に価格は下落。その分の国債の金利が上昇し、日銀の誤算とも捉えられる結果となりました。
デフレ脱却を目指すアベノミクス効果で株価は上昇し、土地の下げ止まりの兆しを見せるなか、国債から株や土地に資金を回すことになれば国債の買い手は減少。国債の金利は上昇し今後、連動する住宅ローン金利も上がる可能性もあります。

長期固定型フラット35も金利上昇
住宅金融支援機構が5月2日発表した長期固定型金利の住宅ローン「フラット35」の5月の金利も、主力の21年以上35年以下で前月から0.01%上昇し1.81%。上昇は3ケ月ぶりとなりました。
住宅ローンの金利は、日銀の異次元金融緩和効果で金利が低下するとみられた一方、不安定な動きが続く恐れもあります。そのため、変動リスク回避に住宅ローンを見直す動きも見られます。三菱東京UFJでは、今年1月〜3月に固定型金利を選ぶ顧客は、昨年10月〜12月に比べ1.5倍増加。みずほも変動と固定の割合が1年前の9対1から7対3に増えています。

住宅購入は今か、固定か変動か消費者迷わす結果に
大型連休中、全国各地の住宅展示場やショールームでは、来年の消費増税を見据え消費者の集客を伸ばしました。住宅購入を検討する消費者は、固定型金利が引上げられたことを受け、今のうちに購入を急ぐべきか、この先の金利の上昇を懸念し固定型を選ぶのか迷いも見られます。
日銀は、異次元金融緩和で金利を下げ、消費の後押しを狙いましたが、結果は住宅購入予定者などを迷わせる結果ともなりました。今後の金融政策や住宅ローンの金利が注目されます。

[2013.5.8]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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