若年層の正規雇用、渋谷に「わかハロ」設置!フリーター・ニート・新卒・高齢者雇用、課題山積み
正規雇用へマンツーマン、不安解消へカウンセリングも設置
東京労働局は10月1日、非正規雇用の若者が増加していることを受け、35歳未満を対象とした「東京わかものハローワーク(わかハロ)」をJR渋谷駅近くに開設しました。
わかハロでは、フリーターやニート向けへ仕事の不安を解消、自信を取り戻し正規雇用を促すため専門職員がマンツーマンで対応。就職への意識を高め、コミュニケーション能力を育てるため同じ環境にある同年代同士が交流する場も設けました。さらに正規雇用の経験がなかったり、就職に失敗するなど若者の不安を解消するため、臨床心理士のカウンセリングも受けつけます。
政府「若者雇用戦略」フリーターを半減!
長引く国内経済の低迷やデフレなど、若者たちを取り巻く雇用環境は依然厳しい状況にあります。健全な社会保障を築いていくには、若者の雇用の拡大と確保。若者と企業を結ぶ短期的なマッチングから、中長期的な雇用を創出する経済を成長させる政策が欠かせません。
政府が今年7月末に、平成32年度までの経済成長戦略をまとめた「日本再生戦略」では、「若者雇用戦略」を盛り込み、フリーターの半減や学生を対象にしたキャリア教育の導入、大学へのハローワーク設置など方針を掲げました。具体的には、平成27年度までにピーク時に217万人だったフリーターを165万人まで減らし、地域の若者支援機関によるニートの正規雇用6万人を目指します。
経産省:中小と若者の雇用マッチングサイト、長続きせず終了
一方、戦略は掲げるものの、これまで非正規雇用を正規雇用へ促すジョブ・カード制を事業仕分けで廃止と判定。さらに中小企業と若者のマッチングを支援するサイト「ドリーム・マッチ・プロジェクト」はいつのまにか「今年度実施の予定はございません」の表示。短期的で場当たり雇用政策の典型となりました。
▼経済産業省:「ドリーム・マッチ・プロジェクト」
文部科学省が発表した今年度の学校基本調査によると、大卒の4人に1人が安定した仕事に就いていないことが判明。フリーターやニートの正規雇用化の裏では、その予備軍が毎年生み出されています。
企業はリストラ計画発表、高齢者雇用法も成立、若者雇用に懸念
バブル崩壊からデフレ、リーマン・ショック、円高などの影響で雇用を生み出すべき企業は、相次いでリストラ計画を発表。大企業へ正規雇用が決まったとしても過去の終身雇用の保証はなく、一生安泰とはいかない時代です。年金受給までの空白期間を埋める改正高年齢者雇用法も先の国会で成立し、段階ではあるものの企業への負担や若者の新規雇用の抑制などが懸念されます。
将来の日本を支える新卒者やフリーターやニートなどの雇用、高齢者への再雇用など雇用環境を巡る課題は山積みです。戦略やスローガンを掲げるだけでは解消できない状況に、実行、結果が求められます。
[2012.10.1]
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