家電とファッションのコラボ「ビックロ」新宿に共同出店!潜在ニーズ求め統合、コラボ、模索続く小売業
家電製品買ってポイントで服も購入
家電量販店のビックカメラとファストファッションのユニクロは9月11日、新宿に共同店舗「ビックロ」をオープンすると発表。27日にオープンする共同店舗は、単に同じ建物に各々出店するのではなく、両社の培ったノウハウを融合させた新しい形のショッピングスポットを目指すとしています。
小売業では、重要な販売促進となるポイントも専用カウンターで交換すればビックロ限定で使えるクーポンを発行。家電製品を買ってポイントで服を買うことも可能。ネットと連携したソーシャルゲームでクーポンを手に入れることもできるなどオープンに向けた話題づくりは注目されます。
スタッフ総勢480人、英・中・韓国語対応
共同店舗は、敷地面積2,900平方メートル、地下3階、地上8階の全11フロアでコンセプトは「それはそれは、素晴らしいゴチャゴチャ感」。スタッフは総勢480人、英語、中国語、韓国語対応で海外からの観光客にも対応します。
店内には、ユニクロの服を着たマネキンが家電製品を持ち全フロアに80体を設置。季節やシーンに合わせた製品を提案します。オープンに向け、テレビコマーシャルや新聞広告のほか、山手線のラッピング広告や新宿駅でも広告ジャックを展開。オープン初日の賑わいが新宿に波及効果を与える予感です。
異業種コラボ:ガソリンスタンド+コンビニは失敗?
家電製品は、テレビの不振で低迷が続くなか、ファッションと組み合わせることで相乗効果による新しい潜在ニーズを生み出すこともできます。異業種同士のコラボレーションは以前からもよく見られ、石油会社ではガソリンスタンドにコンビニやコーヒーショップチェーンなどの組み合わせがあります。給油や洗車している待ち時間に、収益につなげることで、利用側にも1回の駐車で用が済むためメリットがありそうです。
昨年、ファミリーマートに吸収されたコンビニ、am/pmは、もともとは米国のガソリンスタンドとコラボレーションしたコンビニ。20年ほど前より米国にならってガソリンスタンドに店舗を設置したものの、うまくいかずにオフィスビル内への都心型に方向転換し、その後、軌道に乗せた経緯もあります。
コンビニ+ドラッグ:1,000店目標は3年で後退
9月14日には、ドラッグストアのマツモトキヨシとコンビニのローソンが協業すると発表。コンビニとドラッグのコラボでなく、食品や生活雑貨を揃え高齢者をターゲットに住宅地に出店するとしています。両社は平成21年、登録販売者がいれば一部の医薬品を販売できる改正薬事法を受け業務提携を発表。5年以内に1,000店舗を目指すと当時、ビックロ以上に大きく報じられたものの、翌年には「客層が違う」と見直され融合店は後退しました。国内市場が縮小するなか小売業では、同業、異業種での統合やコラボレーションによる新たな潜在ニーズの掘り起こしが模索されています。
[2012.9.20]
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