経産省:「ちいさな企業」の助成金交付で1万社起業!課題は起業よりも事業の継続
経産省:来年度予算の重点施策、若者や助成に起業促す
経済産業省は、若者や女性など小規模な起業を促すために、来年度より1社あたり数百万円ほどの小口の助成金を創設し、5年で約1万社を支援します。創設されるのは、「"ちいさな企業"未来補助金」とし、8月28日の中小企業政策審議会では来年度予算案の重点施策としました。
政府の助成事業は、通常1,000万円以上と規模が大きく数百万程度の補助は異例のこと。対象となるのは、従業員が数人から十数人規模の小規模企業とし、IT(情報技術)関連や子育て支援、介護など地域密着型の企業を増やし、雇用確保も目指すとしています。
地域のニーズに合ったサービスの人材育成、活性化へ
経済産業省では、今年2月から次代を担う若年層や女性の小規模企業経営者を中心に、地域金融機関や専門家を混じえ「"ちいさな企業"未来会議」を開催。これまでの中小企業への政策を真摯に見直し、中小・小規模企業の経営力・活力向上に向けた課題と、施策が議論されています。
厳しい環境のなか、補助金の創設で若者や子育てを終えた女性など、ウェブデザインなどIT企業や、介護、地域での販売など潜在力の発揮を期待。地域のニーズに合ったきめ細かいサービスの担い手を育て、活性化を目指します。
助成金の条件:専門家の支援を受けること、その後の責任は?
経済産業省は、海外市場に販路を開拓する中小企業向けには数千万円~1億円程度の資金も用意。さらに先代の資産をもとに第2の創業を目指す経営者へは数千万円規模の助成事業も行うとしています。
助成を受けるには、事業計画を策定する段階から起業経験のある経営者や、金融機関、税理士など専門家の支援を受けることを条件としています。経営支援側の力量が地域活性化の鍵となりそうです。
助成金目当ては、第2のITバブル崩壊に
起業は、資金があってもなくてもできることです。課題となるのは起業後、いかに事業を継続していくのか、その企業の強みや差別化、ニーズや販路などマーケティングだけでなく、PDCA(戦略から実行、評価、改善のサイクル)を確実に実行できるかです。
ITバブル時代、多くの若者を中心にIT企業が設立され乱立。集客や販路を見いだせず結果のでない企業の多くが廃業に追い込まれITバブルは崩壊しました。起業するのは難しくありません。起業した後、いかに事業継続を支援するかが「1万社起業」の本来の目的に思えます。
[2012.9.4]
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