日本の労働力人口、28年後に950万人減!人材不足の介護産業でも資格目指す外国人は減少
厚労省:経済がゼロ成長、無政策の場合を試算
厚生労働省が7月23日まとめた「日本の労働力人口」によると28年後の労働力人口は、政策がうまくいかなければ2年前の約6,630万人から約950万人減少し、約5,680万人になると推計。労働力人口は、国立社会保障・人口問題研究所が5年おきに見直しされる将来推計をもとに、失業率などを加味し試算されています。
同省の推計は、経済のゼロ成長が続き、若者の就労支援や高齢者の就業支援など施策がまったくなされなかった場合を見積もったとしています。
政府:専門的・技術分野の外国人、積極受入れも8割は単純作業労働者
日本は少子高齢化に伴う中長期的な労働力人口の維持に、アジア各国とEPA(経済連携協定)を結び外国人を受入れ、労働ニーズの不足を解消。政府は、国際競争力の強化に専門的・技術分野の外国人を積極的に受入れる方針を示すものの、その数は日本で働く外国人約69万人の2割にしか満たず、約8割は低賃金の単純作業労働者となっています。
特に介護の現場では、労働力人口の確保は急務でEPAでインドネシアやフィリピンから人材を受入れるものの、国家試験での合格率は数%にしかすぎず、不合格者は帰国の途につくしかありません。言葉は理解できるものの日本語の読み書きは、外国人には高い障害となっています。
外国人の介護資格:3年働いて1回だけの試験で不合格は「日本嫌い」に
平成22年の国勢調査によると国内の外国人数は、5年前に比べ約9万2,500人しか増えていません。EPAで来日し、介護の資格取得を目指す外国人もEPA締結以降インドネシアは半数、フィリピンからは1/3に来日する数が減少しています。昨年の震災、原発事故による影響もありますが、成長著しいアジア諸国や英語圏のカナダやオーストラリアなど選択肢も増え、「日本離れ」が始まっています。
EPAによる受入れは今後ベトナムからも予定されており、インドやタイでも参入したい方針を示しています。資格取得を目指す外国人は、来日し3年の実務の後、たった1回の試験で「不合格者は即、帰国」では、「日本嫌い」にも発展しかねません。
13年後には100万人の介護員が不足
厚生労働省では、13年後には団塊の世代が75歳を迎えることで213〜244万人の介護員の確保が必要になると見込んでいます。現在介護産業には約140万人従事しており人材不足となるのは明確で、賃金など雇用条件の改善や外国人受入れ体制・試験の見直し、補助的な介護ロボットなどの開発が急がれます。
さらに男性と同じように教育を受けた女性が、結婚、出産、子育てで仕事から離れれば経済資本にも影響を与えます。再就業支援に保育園や育児所の確保など働く環境を整える政策も急務となり、課題は山積みとなっています。
[2012.7.30]
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