ヤマダ電機:ベスト電器を傘下に!アジア進出強化戦略、脅威はネット通販
ヤマダ電機:ベスト電器買収で売上高2兆円超え
家電量販店最大手のヤマダ電機は7月13日、業界7位のベスト電器を子会社化することで合意したと発表。両社の売上高は合わせて2兆円を超え、先月にコジマを買収した2位のビッグカメラを大きく引き離します。
今後両社は、共同で商品調達や商品開発に取り組み、競争力を一層高めます。家電量販店の再編は平成13年頃より全国的に進み、さくらやや石丸電気、ミドリ電化など吸収されエディオンやケーズホールディングスの傘下となりました。
成長市場へ参入強化?ヤマダは中国、ベストはインドネシア、シンガポールを展開
家電量販店では、エコポイントや地デジ移行特需も終わり、その反動から販売低迷が続いています。さらにネット通販の価格競争にも巻き込まれヤマダ、ビックカメラ、エディオン、ケーズ、ヨドバシカメラの5大グループに再編されてきました。ネット通販の価格に対抗するため、今後も同業、異業種で大規模化への再編の可能性も出てきています。
ベスト電器は6月末現在、インドネシアやシンガポールに59店舗を展開しており、中国で展開するヤマダ電機の中国以外での展開も見えてきます。家電量販市場は、2年連続して減少しているだけに、新たな市場獲得を狙うのか小売り、流通業の海外進出も進みます。
異業種が住宅産業へ!4月にスマートハウス市場本格参入
ヤマダ電機は昨年、次世代住宅のスマートハウスを見据え、老舗住宅メーカーのエス・バイ・エルを買収して住宅産業に参入しています。昨年末には最適なエネルギー管理をするHEMS(ホームエネルギー・マネージメントシステム)の規格が統一され、同社は今年4月にスマートハウス市場に本格参入を果たしました。縮小する市場から異業種であるヤマダ電機は、成長市場へ参入する新たなビジネスは、これからの家電量販店、住宅業界にも影響を与えそうです。
スマートハウス関連の市場は、今年1.2兆円と見られ、平成32年には約2.9倍の3.5兆円と予測されています。ヤマダ電器は家電量販店として競争力を向上させる一方、新たなスマートハウス市場への参入で事業拡大を狙います。
ネット通販:楽天1兆円超え、アマゾン前年比48%増の勢い
家電量販店での最大のライバルとなるのはネット通販になりそうです。経済産業省によると、平成22年度の国内の消費者向け電子商取引は7.8兆円に拡大し、リーマン・ショック前の水準に回復しています。楽天は、昨年の年間売上高が1兆円を超え、アマゾンの10~12月期の売上は前年から35%増加しています。アマゾンでは書籍やCD、DVDのほか家電製品や雑貨など前年から48%増と勢いを見せるなど、家電量販店には脅威となります。
家電量販店では、スマートフォンが好調ですが、販売低迷の薄型テレビに変わるほどの柱にはならず、再生可能エネルギー関連商品の新規取扱いも見られます。「省エネ・環境」、「家電はネットに繋がる」が次への戦略となりそうです。
[2012.7.19]
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