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業界初の上場なるか?「ダイナム」香港で上場申請/再び焦点となるパチンコ合法性のグレーゾーン

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業界初の上場勝ち取るか/パチンコ「ダイナム」香港で上場申請
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7月9日、パチンコ店業界大手の株式会社ダイナムジャパンホールディングス(東京都荒川区西日暮里2-25-1-702/代表執行役社長:佐藤洋治氏)が香港証券取引所への上場に向けて正式な手続きに入ったと報じられました。
香港証券取引所は同日午前、ダイナムが提出している今年3月末の決算内容(売上高約9,000億円など)や出店計画、日本国内のパチンコ店業界の状況などを個人投資家向けにホームページで公開。ダイナムは機関投資家などを対象に経営状況などの説明を始め、月内にも国内外で業界初となる上場を目指すとしています。
ダイナムの上場が実現すれば、パチンコ業界においては国内のみならず世界初。また、日本企業が香港市場だけで上場する初めての例ともなります。

関連産業は多く上場/遅れをとるホール運営企業
これまで日本国内でパチンコ産業の上場が認められなかったのは、パチンコが賭博罪にあたる可能性が指摘されてきたためです。パチンコ機器メーカーなど、多くの関連企業が上場する一方、パチンコ店を運営する企業の上場は認められていません。複数の事業の一つとしてパチンコ店経営を行っている上場企業は存在しているものの、パチンコ業界からの上場は認められずにきました。

灰色判断で阻害されたパチンコ上場
平成17年には業界大手のピーアーク(現ピーアークホールディングス株式会社/東京都中央区銀座6-13-16/代表取締役社長:庄司正英氏)がジャスダック証券取引所に上場申請をしましたが、翌年棄却されてしまいました。パチンコ業界は「賭博」との批判をかわすため「3店方式」という換金方法をとっていますが、この合法性が曖昧であるとして、投資家保護を果たせない事が理由とされています。
ダイナムは当初、国内での上場を探っていましたが、こうした事実を受けて、見送ることとなりました。

海外ならばギャンブル上場も可能/根強いのは「依存症」懸念
海外であれば、仮に賭博であっても合法ならば上場は可能。香港市場では、カジノ運営会社が上場していることもあり、パチンコ業界からの上場も認められやすいという算段でしょう。
ただし、その香港ではパチンコ自体が禁止されているとのこと。香港に限らず、韓国・台湾などでも、ギャンブル依存症の増加などから「国民を不幸にする」として全面的に法律で禁止されました。こうした社会問題への懸念も根強く、国内でも海外でもパチンコ業界の上場は議論を呼んでいます。

経済活性に向けグレーゾーン撤廃を
今回の上場でダイナムが調達を予定しているのは二百数十億円。東京証券取引所に新規上場した会社で調達額が100億円以上なのは、直近5年間で6件だけと、低迷を続けている日本市場にとって巨額です。
また、パチンコ業界の総売り上げは年間役19兆円にも上ります。予て都知事が「東京にカジノを」と持論を展開していますが、ギャンブルによる経済効果は確かに大きいもの。この機会に、法律のグレーゾーンを解消することで、国内の経済・産業が大きく変化するはずです。
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[2012.7.17]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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