著作権法改正で「アノニマス」ハッカー攻撃開始!財務省・国交省・最高裁サイト防御不能?
実態掴めぬ「アノニマス」世界各地でハッカーが参加
国際的なハッカー集団の「アノニマス」は6月25日、「オペレーション・ジャパン」と題するツイッターを開設し、日本の著作権法改正に反対する声明を掲載。日本政府などを標的にしたハッカー攻撃を開始しました。
「アノニマウス」は、「匿名の」という意味で、世界各地でネット上の掲示板などを通じてハッカーが参加しており実態が掴めていません。ネットに関わる規制強化などに反発して各国の政府や関係機関、企業などのサイトにサイバー攻撃を繰り返しています。
ダウンロードは前回改正で違法、今回は罰金を追加
著作権法改正は6月20日に可決、成立し今年10月1日から施行されます。これまでネット上の有料音楽や動画を海賊版と知りながら、パソコンや携帯端末などに取り込んでも、個人で楽しむ分は違法ではありませんでした。しかし、前回平成22年1月の改正で、ダウンロードする行為が違法となり、今回の改正ではさらに罰則が設けられました。2年以下の懲役、または100万円以下の罰金となります。
「アノニマス」は、この法改正に反発しツイッター上に「著作権改正は多くの無実の市民を刑務所に入れる」とし、政府機関を攻撃すると表明しました。
国会議員、採決間近で罰則を追加、議論不足が原因?
6月26日には、財務省のサイト内、国有地物件情報に「我々はアノニマス、我々は許さない」などの文書を挿入。最高裁のサイトへは障害を起こさせ約1時間ほどダウン。国土交通省へは文書を改ざんしたものの霞ヶ関を霞ヶ浦とサーバを間違える頭脳犯らしかなる面も見せます。
罰則化に反発するのは、今回の改正は文化審議会での実質的な審議もなしに、採決間近に国会議員主導の修正で罰則が加えられ成立したことにあり、議論が不十分とする声も上がっています。法改正まであと3ケ月、ネット上には違法コンテンツが蔓延しているだけに、どれが正規か違法ファイルか識別はほぼ不可能。何よりも利用者がこの法改正をどこまで理解しているのか疑問も残ります。
違法ダウンロード:音楽配信に換算すると年間6千億円超えの被害
今回の法改正は著作者保護が目的でレコード会社は当然歓迎ムードです。日本レコード協会は、国内で違法ダウンロードされるファイルは年間43億6,000万件で正規の音楽配信に換算すると6,683億円と昨年3月発表しました。同協会では6月20日、改正の主旨を十分に周知するための広報活動を積極的に取り組むとしています。
ネットに上げられた音楽や動画に限らず写真や文章などのデータは、ニーズが高ければ削除することはほぼ不可能で驚くほどの早さで複製されていきます。アナルグからデジタルへ移り変わった新たなリスクの責任は、個人の認識にもあるでしょう。
[2012.6.30]
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