次世代「スマートテレビ」、総務省方針の2年で国際規格では遅過ぎないか!
薄型テレビ:日本勢価格競争、相次ぎ規模縮小
総務省は6月12日、ネットに接続しパソコンのように使えるスマートテレビの普及に向け基本戦略を発表。スマートテレビの国際的な技術規格を統一し今年度中にも国際団体に提案するとしています。
薄型テレビの海外シェアではトップだった日本勢は、韓国勢など新興国メーカーの技術の向上、価格競争から規模を縮小。日立や東芝は国内生産から撤退。パナソニックは液晶パネル工場を5ケ所から2ケ所に集約。シャープは主力工場を台湾企業との合併会社に切り替えました。8月にはオリンピックも控えニーズが見込めるはずですが、昨年の地デジ対応への買い替えと、家電エコポイント効果で売れ行きは昨年末から止まったままです。
いち早く米国で発売したソニー:日本での発売は未定
家電量販店の1階売り場を占めていた薄型テレビ売り場は、スマートフォンに奪われテレビ売り場の特等席には韓国LGのスマートテレビが並びます。ネット上の映像や音楽、ゲームなどが楽しめ、アプリ(応用ソフト)をダウンロードして機能を追加することができます。画面には、スマートフォン同様のアイコンが並び、子供から高齢者まで注目を集め、新たな潜在ニーズの掘り起こしに期待がもてますが、そこにMade in Japanのスマートテレビの存在はありません。
すでに市場では、韓国LGとサムスンが潜在ニーズの獲得に動き出しており、いち早くスマートテレビを開発し平成22年10月に米国で発売したソニーのスマートテレビ「Google TV」の姿もありません。
総務相:「日本の技術は先導的、官民連携で世界へ発信」
川端総務相は12日の会見で「日本の技術は先導的なものを持ち、官民連携で世界に向け発信」と述べ、基本技術を電機メーカーと連携して実証実験を平成25年度までの2年間で進めるとしています。
スマートフォンやタブレット端末などOS(基本ソフト)は、米グーグルの「アンドロイド」や米アップルの「iOS」がありますが、その違いに関わらずネット機器と連携。開発を大幅に効率化するとしますが、すでに「アンドロイド」搭載のスマートテレビは市場に出回わり、2年間の間にさらに高機能な製品も出てくるでしょう。現在スマートフォン市場は、両社のOSが共存し、競争原理からサービスなどが向上し消費者の選択肢も広がっています。
音楽、スマホで変革した米アップルの次はスマートテレビ?
音楽配信やスマートフォンで変革を起こした米アップルは、創業者の故スティーブ・ジョブズ氏の生前の開発プラン「音楽、教育、そしてテレビ」と語り、数年前からスマートテレビ「iTV」の発売が噂されていました。今年5月には同社製品を製造するFoxconnの親会社、鴻海精密工業の会長が会見で米アップルの新しいテレビ「iTV」の製造に向け準備をしていると漏らしたことが中国「China Daily」誌に報じられました。
米アップルの次の変革はテレビなのか注目されていますが、薄型テレビ市場で日本勢が消滅してしまうのか懸念されます。スマートフォンでは多機能すぎて使いこなせず、ガラパゴスと呼ばれ出遅れました。米アップルの開発コンセプト「魅力的なデザインで誰もが説明書を見なくてもすぐ使える」日本製スマートテレビが出ることが待ち望まれます。
[2012.6.18]
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