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空飛ぶシビック「ホンダジェット」量産型機の試験飛行成功!本社から分離した研究開発の底力

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「空のスポーツカー」にオーダー既に100機超え
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ホンダの航空機事子会社のホンダエアクラフト社(米ノースカロライナ州)は5月13日、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」量産型の試験用飛行機の初飛行が成功と発表しました。同機は米国ノースカロライナ州の上空約3,500mを時速約580kmで74分順調に飛行。年内中にはFAA(Federal Aviation Administration:米連邦航空局)の形式認定を取得。信頼性の試験などを経て量産機の生産を開始し、来年には顧客への引渡しが開始される予定です。同機へはすでに100機を超えるオーダーが入っています。
飛行試験用の量産型機は4号機目で機体色には、「空のスポーツカー」をイメージするため従来のビジネスジェットでは見られないメタリックイエローを採用。コンパクトですばしっこい飛行姿はまさしく「空飛ぶシビック」。空を夢見た創業者・本田宗一郎氏の想いが現実となりました。

一人当たり250ドルの料金でファーストクラス並みのキャビン空間
120601_1.gifホンダジェットは、「新しい交通システム」のコンセプトを下に開発。広大な米国などの地では、小都市間を移動する際には大都市のハブ空港を経由する場合がほとんどで、乗り換え時間などロスが発生。小都市間での出張などはこれまで2日がかりとなりますが、小型ジェットなら直接目的地へ向かえるため1日に短縮。
さらに課題となる利用料金は、燃費性能を炭素繊維で軽量化するなど同等機種より20%向上。4人で乗れば一人当たり250~375ドルと米国内のファーストクラス並みの料金で利用することができます。また、エンジンを主翼の上に搭載したことでキャビン内はゆったりした乗り心地で移動が可能となりました。高根の花とされるビジネスジェット機市場に変革を起こします。

ホンダR&Dセンター:28年前から航空機用小型エンジンの研究開発
ホンダエアクラフト社では、燃費の良さやキャビン内の広さ、飛行可能な速度などホンダジェットは既存の小型ジェット機に勝ると自信を示します。この競争力の強さの裏付けとなっているのは、ホンダR&Dセンターの長年の技術の研究開発にあります。
ホンダは昭和35年にホンダR&Dセンターを埼玉県和光市に設立。昭和61年より創業以来の夢であった航空機用小型エンジンの研究を続け、平成11年に軽量・低燃費型の小型ターボエンジンの設計に着手。平成15年にはノースカロライナで実験機の飛行を成功させました。同センターで培われた航空機用小型エンジンの研究を下に革新的な技術を創出しホンダジェットの商品開発は進められてきました。

二輪、四輪の次は小型ジェットで世界制覇
ホンダは自動車メーカーではトヨタとともに外資グループに頼らず単独で事業を続け、米3大自動車メーカーと比較し小さいながらも技術開発力は他を凌いでいます。単に二輪・四輪自動車メーカーだけでなく小型航空機やロボット開発などあらゆる方向性を打ち出し、研究開発の拠点は下支えしてきました。
ホンダR&Dセンターは、目先の利益を追求する販売に惑わされないようホンダ本社から分離、独立させた特異な組織形態。長期持続的な研究開発が行われるよう技術陣の環境は整えられ、販売と研究開発の間には健全な関係が保たれています。二輪、四輪では世界の頂点を築いたホンダ。新たに小型ビジネスジェット機市場の頂点を目指します。

[2012.6.1]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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