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企業倒産数激減!3年連続前年度割れ、大企業はリストラ、小規模企業は倒産過去最高!増税より経済政策が急務

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年間企業倒産件数13,000件割れは20年ぶり
東京商工リサーチが4月9日発表した平成23年度(平成23年4月~24年3月)の全国の企業倒産件数は、前年度比2.7%減の12,707件と3年連続で前年度を下回りました。13,000件を下回ったのは平成3年度以来20年ぶりとなります。
震災による津波・風評被害や原発事故での電力不足にはじまり、サプライチェーン(供給網)の混乱、歴史的円高など中小企業にとっては何重もの障壁が押し寄せましたが、中小企業金融円滑化法によるリスケジュール(条件変更)東日本大震災復興緊急保証など、政府の資金繰り支援効果で企業倒産は減少しました。

大型倒産は減少、負債1億円以下の小規模倒産が全体の約7割
負債総額でも、前年度比15.5%減の3兆9,906億4,000万円と平成2年度以来、21年ぶりに4兆円を下回りました。負債総額10億円以上の大型倒産は、前年度比23.9%減の424件と低水準でとどまる一方、負債1億円未満の倒産が69.3%を占めており、小規模・零細企業中心に倒産は推移しています。
産業別では、10産業のうち8産業で倒産は前年度を下回っており、不動産業の13.5%減を筆頭に、運輸業10.8%減、製造業9.8%減と続きます。一方、飲食・宿泊・旅行などサービス業では7.3%増、農林魚鉱業が12.7%増と倒産が増加しています。

中小望む経済政策:返済猶予、新たな融資より「売上になる仕事」支援
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倒産件数減少の最大要因となるのが金融機関などへの中小企業金融円滑化法ですが、経済産業省では4月2日、リース業界へも努力義務の要請を1年間再延長。猶予によって中小企業の資金繰りを支えますが、同法利用後の倒産が前年度の約5倍、平成21年12月の法施行から累計で300件に達しました。このうち約8割の248件が販売不振を倒産の要因としています。
金融庁では、リスケジュール後の企業倒産を最小限にとどめる「ソフトランディング」を目指し、金融機関等へのコンサルティング機能強化を促しますが、経営環境は依然好転していません。売上が見込まれる産業、市場への参入支援など経済政策が望まれます。

倒産減少の裏に倍以上の倒産予備軍の存在
アジア新興国メーカーの追伸で、業績悪化が顕著な電機大手などでは、大規模な人員削減や賃金カットが打ち出され痛みを伴う選択が実行されようとしています。再び日本の技術者や技術の海外流出の懸念も残ります。
倒産は、13,000件を割ったものの廃業・休業する企業は増加傾向にあり、昨年企業の休廃業・解散件数は25,000件以上と倒産件数の約2倍に上っています。倒産減少の裏には、倒産予備軍ともなる企業の存在が拡大しているのも事実です。

[2012.4.12]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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