海外進出支援「JETRO」会費払えず経団連退会?新たな経済・消費者団体「生団連」へは加盟企業・団体急増!
国内4番目の経済団体「生団連」481社でスタート
昨年12月2日、日本に新しい経済・消費者団体が誕生しました。消費者と関わりの近い481社・団体が加盟する「国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)」は、名前から連想してもスーパーなど小売りや流通、食品メーカー、消費者団体などの企業・団体で構成されています。
これまで日本の経済界には、経団連や経済同友会、日本商工会議所と「経済三団体」と呼ばれ、上場企業を中心に政府などにも経済戦略を提言するなど力を発揮してきました。特に経団連は、東証一部上場企業など有力企業が加盟されるため、政策に関しても大きな影響を及ぼし財界の総本山と呼ばれています。
加盟急増の理由:生団連会長「消費税増税、電力値上げ」に反発!
発足されたばかりの生団連には今年に入っても新たに企業・団体の加盟が急増。発足から約4ケ月、4月3日現在で70社・団体が加わり550社・団体に拡大。現在でも加盟申込みが相次いでいます。急増の要因は、会長を務める大手スーパーのライフコーポレーション・清水会長の行動力、発言力への期待の大きさがあるようです。昭和60年代、消費税が掲げられた際に業界あげて反発し、断念に追い込んだ実績を持ちます。
清水会長は、「将来的に増税は反対ではないが、デフレ時の増税は景気を悪化させる下策」と断言。さらに東京電力の値上げについて「生活者や企業に容易に負担を強いることは到底容認できない」と東電の経営合理化を指摘しました。当然のように賛同する企業や消費者団体が加盟、名を連ねるのも理解できます。
経団連:消費税増税「歓迎」、電力値上げ「やむを得ない」理由
一方、経団連には、自動車や電機メーカーなど輸出企業も数多く加盟しており、国内の仕入れに対する「輸出戻り税」などもあるためか消費税増税関連法案には「歓迎」の姿勢。さらに電力値上げに関しては、経団連の前進である経済団体連合会の歴代会長に東京電力の社長の名も連ねることから「やむを得ない」と理解を示します。
経団連では、産業の変革の時代に企業はグローバル化、市場は新興国と現地生産・販売、さらに研究開発も海外へシフト。TPP(環太平洋経済連携協定)など自由貿易化も強く推進。消費税増税、電力値上げを容認する一方、内需型産業が多数加盟する生団連は、直接影響を受け、さらに黒船来襲は大打撃と懸念するなど対極にあります。
楽天三木谷会長「電力守る態度、許せない」経団連を退会
ネット通販では、海外進出をいち早く展開する楽天は昨年、経団連を退会。輸出,海外進出に経団連加盟のまま政府支援を受けるなど企業にとって優位にみれますが、楽天・三木谷会長は「電力界を保護する態度が許せない」と身内を守る経団連に正当性、公正性を訴え退会しました。
島国日本は、国内企業同士が取引先となって経済を発展させてきましたが、グローバル化で国際競争力が必要とされる中、海外企業が主な取引先となるケースも増えました。しかし、報道される少子高齢化や国内産業空洞化、関税撤廃などは急激に起こる訳ではありません。政策、インフラの値上げだけが急激に起きれば、反発する声も急激に増えるのも当然です。
海外展開を支援するJETRO(日本貿易振興機構)が国の経費削減で3月末で経団連を退会しましたが、加盟企業との連携はもう必要ないのか懸念が残ります。
[2012.4.10]
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