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国交省「2012年の公示地価」発表/東京・名古屋・大阪は回復基調/「値崩れ加速」「高台バブル」被災地の地価は二極化、復興への影響懸念

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公示地価4年連続下落/東京・大阪・名古屋は回復基調
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国土交通省は3月22日、「2012年の公示地価」(1月1日時点)を発表しました。
公示地価の全国平均(全用途)は前年比2.6%で、4年連続で前年を下回っていますが、下落率は2年連続で縮小しています。「住宅地」が前年比2.4%、「商業地」が同3.1%とそれぞれ下落しているものの、前年と比較できる全国2万5494地点のうち、昨年の約2.8倍の546地点で地価が上昇。昨年3月の東日本大震災発生直後は不動産取引を控える動きが広がっていましたが、次第に持ち直しており、東京、大阪、名古屋の三大都市圏では住宅地、商業地共に昨年後半で下落幅が縮小しており、一部地域では回復基調も見られます。

「銀座」と並び「丸ビル」も最高値!
「高級な土地」で真っ先に連想されるのはやはり銀座。全国の商業地で最も高い地価が示されたのは山野楽器銀座本店(東京都中央区銀座4丁目2番)で、5年連続でトップを飾りました。ところが、ここしばらくは銀座が独占していた王座に、今回は前年2位の丸の内ビルディング(丸ビル:東京都千代田区丸の内2丁目2番)も並んでいます。価格は共に1㎡あたり2,700万円とのことです。
丸ビルが首位となるのは平成18年以来6年ぶりのこと。近年、丸の内周辺では特区指定を受けて容積率が緩和されたことから大型ビルの開発が進んでおり、今年も「丸の内永楽ビルディング」や「パレスビル」などの完成も続いています。これらのビル間の競争が活気をもたらし、地価下落に歯止めをかけました。

震災影響で「西高東低」の地域格差/被災地は「高台バブル」
とはいえ、地方圏では依然として住宅地、商業地共に下落が続く地域が多いのが実情。そのなかでも、地域によって大きな格差が生じています。都道府県別では福島県の下げ幅が全国で最も広がっており、東京圏を含む東日本に比べて大阪圏など西日本の下げ幅が縮小された「西高東低」の傾向にあります。
東日本大震災の被災地では、海に近い地域では大きく値を下げた反面、住宅移転が見込まれる高台の地価は最大6割以上もの急上昇を見せました。津波被害のみならず、地盤そのものの強さや液状化など、震災発生によってその土地に潜在する様々なリスクが表面化したことで、被災地をはじめとした住宅地は二極化が鮮明となっています。

福島県全域:人口流出で値崩れ加速/リスク管理で地価安定を
東京電力福島第一原発の事故の収束もいまだ見えないなか、人口流出が福島県では値崩れが加速しており、沿岸部のみならず全ての住宅地において公示地価が下落。また、放射線量が高い地域が出現した千葉県柏市や流山市などでも下落幅が拡大しています。
放射線の影響は防ぐのがなかなか難しいと思われますが、地価の安定化のためには地震や水害などのリスクに強い安全な街づくりが課題です。被災地においては、地価の変動が被災者の生活や地域の復興に直接影響します。被災者がこれ以上の不利益を被ることが無いよう、何らかの措置によって土地の取引規制を行う必要が生じるかもしれません。
 
[2012.3.28]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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