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「10年間手付かず」休眠口座:年間1300万件、850億円/「眠っている金で復興支援」政府案に金融機関は反発

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年間850億円も発生!政府:復興支援に休眠口座活用を検討
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政府は2月15日、銀行などで10年以上お金の出し入れのない「休眠口座」を震災復興支援などの資金として活用する検討を始めました。
休眠口座とは、最後のお金の出し入れや定期預金の満期日から10年以上放置されている口座のことを指します。商法などによると、銀行で最後の取引から5年以上、信用金庫・信用組合などで10年以上放置したままだと権利を失うと定めていますが、全国銀行協会は自主ルールで10年以上としています。
国内では毎年、預金者の死亡や引っ越しなどで1,300万口座、850億円程度の休眠口座が発生しているとのこと。現時点での国内金融機関の休眠口座の累計は約12億口座にのぼると見られています。

海外では前例も/古川経済財政担当相「眠っている金を日本再生のために」
海外では休眠口座活用の前例もあるようで、韓国などでは、福祉事業者の支援などのために基金が設立されています。今回の政府の検討案でも、基金を設立し、休眠口座の預金の一部を基金に移して、ベンチャー企業や非営利組織(NPO)への支援に充てることを想定。今後新たに発生する休眠口座の預金を対象にする考えを示しました。
経済財政担当大臣:古川元久氏は「眠っている金を日本再生のために使うべき」として、「復興財源には充てないが、東日本大震災の被災地にある企業が支援対象になれば、復興にも役立つ」と強調しています。

「金融の信頼に関わる」金融機関は反発姿勢
政府はこの計画について、今後2ヶ月ほどで中間取りまとめを行い、夏ごろには最終決定を目指すとしました。
しかし、長い間手が付けられていないとはいえ、顧客の預金を動かすことにはほとんどの金融機関が反発。全国銀行協会は「預金者の同意なく金融機関の外部に預金を出すことは金融システムの信頼性に関わる」と指摘するなど、慎重な議論が求められます。
現行では10年以上放置された口座であっても、預金者やその遺族の請求があれば、金融機関は払い戻しに応じており。政府も同じく、預金の返金には応じるとしています。たしかに、復興支援とすれば、協力はしたほうが良いのかもしれませんが、「預金者の同意を得ずに召し上げる」とも見えるこの方法はいかがなものかと思います。

基金新設:管理コスト増懸念で実現遠く
口座管理や各種手続きのコストを勘案すると、元々それほどの利益になってはいないというこの休眠預金。新たに基金などを設立することにより、管理コストが更に膨らむことも懸念されており、実現には程遠い様子です。
また、この「基金の新設」というのも回りくどい気がしてなりません。「政府の銀行」である日本銀行は「銀行の銀行」でもあります。単純に考えると、「金融機関が保有するお金を活用したい」というのであれば、休眠口座の預金に相当する金額を、日銀のなかで付け替えれば済む話ではないかとも思えるのです。
政府が新しいことをやるたびに「無駄遣い」「天下り先づくり」と邪推するのも悲しいものです。本当に「日本再生のため」と納得できる政策を望みます。

[2012.2.25]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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