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パチンコ店倒産激減!ピーク時の1/3に:「震災」・「自粛」・「節電心理」・「失業」がパチンコ人口増加に加担

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平成18年からパチンコ業の再編、淘汰が一巡
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帝国データバンクによると昨年の企業倒産件数は、1万1,369件と前年を2.5%下回り2年連続前年比減となりました。負債総額も3兆4,637億3,300万円と前年比50.1減、過去10年で最少となりました。月別では増減を繰り返しながらもほぼ横ばいとなっており、業種別では建設業が3.1%減少、小売業が4.2%増加と大きな変動は見当たりません。
この状況の中で、パチンコ業の倒産が激減しているのが目につきます。パチンコホールは、平成18年から20年にかけて金融機関やリース会社の与信縮小から再編、淘汰が一巡しました。警視庁によると平成19年にパチンコ業の倒産が前年比7.4%減少となった後、減少幅は縮小とあります。

パチンコ業:リスケ、震災優遇措置、新台・広告抑制で資金繰り繋ぐ
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昨年のパチンコ業の倒産件数は、22件と前年から21.4%と大幅に減少。倒産件数がピークだった平成19年、20年の72件に比べ1/3以下と激減しました。
負債総額も49億400万円と前年比で76.5%減となり、4年連続減少を記録。過去10年、最少の負債額と大型倒産が発生していない背景が伺えます。
生き残ったパチンコ店には顧客が足を運び、経営では中小企業金融円滑化法によるリスケジュールや震災による優遇措置、さらに新台購入や広告宣伝費など出費を抑え、資金繰りをかろうじて繋いでいる傾向にあります。

大型パチンコ店、電力不足で輪番休業も客は中小ホールへ集結
パチンコホールは、昨年の震災によって約600店が被災したと見られ、このうち約200店が甚大な被害により営業不能に陥りましたが、パチンコユーザー心理は落ち込まず、他店へ集まる現象が見られました。福島第1原発事故の電力供給不足による計画停電や輪番休業も、大型店が休業するなか、中小ホールに顧客が集まる傾向が多く見られました。
震災によってショッピングや旅行などが自粛され冷え込むなか、パチンコユーザーにとっては誰に迷惑をかけるでもなくいつも通り楽しみ、今までパチンコをしなかった人をも新たな顧客に迎えることに成功しました。昨年倒産した企業の中でも明らかに他の業種と異なった傾向は、全国に根ざしたパチンコ人気を裏付けます。

スマホ、ソーシャルゲーム拡大でパチンコ業界は縮小傾向?
パチンコ業の倒産がピーク時の1/3と減少したとはいえ、スマートフォンやソーシャルゲームなど余暇産業は拡大しており、業界自体は縮小傾向にあります。日本生産性本部の「レジャー白書2011」によると、パチンコに費やす年間平均費用や平均活動回数は前回調査に比べ横ばいにあるものの、参加人口は約50万人減の1,670万人と縮小しています。市場規模を示す貸玉料金も8.0%減の19兆3,800万円と平成3年以来20年ぶりに20兆円を割り込みました。
震災や原発事故、円高、タイ大洪水などにより多くの産業で影響を受け、企業が営業停止や廃業に追い込まれるなか、パチンコ業界の倒産はしばらく低水準で推移すると思われます。

[2012.2.20]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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