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野田財相:円高阻止「円高対応緊急パッケージ」とは/円高利用:M&A促進・資源購入

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円高対応緊急パッケージ:7兆6,000億円の巨額基金創設
110829_3.jpg政府は8月24日、長期化する円高対策として金融機関・企業向けの1,000億ドル(約7兆6,000億円)の資金枠を設定する「円高対応緊急パッケージ」をまとめたことを明らかにしました。円高対策は、今月4日に政府の単独円売り介入と日銀の追加金融緩和以来で、国内産業への悪影響を防ぐとともに、円高メリットを生かし政府系金融機関を通じてM&A(企業の合併・買収)など企業の海外投資支援が柱となっています。
8月19日に円は、戦後最高値をつけるなど財務省では外国為替市場の監視を強化していますが、1,000億ドルの基金創設によって巨額の円資金が外貨に転換され,為替市場の安定化を目指しとしています。野田財務相は、「円高阻止へ政府の強い覚悟とメッセージを打ち出す」と強調しています。

産業革新機構、国際協力銀行活用:企業の海外投資意欲を刺激
野田財務相の強いメッセージは、8月29日に行われる民主党代表選での政治空白を突かれぬ対策とも見られます。昨年9月の代表戦では菅首相・小沢元代表が激突し,民主党内が混乱する間に急激に円高が進行し、何ら対策を打てなかった苦い教訓があります。
「円高対応緊急パッケージ」は、超円高を利用し、1兆1,500億ドルの外貨準備高の一部の外貨資金を融通。日本企業による海外企業のM&Aや、天然ガスやレア・アースなどのエネルギー資源購入を促す呼び水効果を狙っています。基金創設は、官民出資ファンドの産業革新機構やJBIC(国際協力銀行)の出資・融資も活用され、企業の海外投資意欲を刺激するなど海外進出の好機ととらえたいところです。

政府に頼らず!8月の海外M&A:前年から3.7倍に増加
円高・株安傾向は、欧米経済の減速をきっかけに世界同時不況に陥り、国内の内需型産業にも大きな危機感をもたらしました。企業は、無政策状態の政府に頼ることなく自らM&Aで海外企業を傘下に収める動きが活発化。豊富な手元資金で8月は円換算で4,507億円にのぼり、前年同月の約3.7倍、7月からも約2倍増加しました。
政府は「円高対応緊急パッケージ」が何よりもスピーディに講ずる必要があると,主要国との強調に時間がかかる介入や、審議に時間のかかる法令としなかったとアピールしますが、この1,000億円基金の創設自体が遅すぎる感があります。産業界では、遅すぎる政策に嫌気を見せ自ら円高対策をとるなど、円高・株安の官民「危機感」の差がなくならなければ市場安定は果たせません。

中小企業:独自技術や生産品で海外進出
日本企業による海外企業のM&Aは、商社によるエネルギー資源産業などの買収から、近年では海外市場獲得に薬品や金融業、情報など産業を問わず進められています。要因は、震災によって企業が危機感を強めたという見方が多く伝えられています。縮小する国内市場やグローバル競争の環境は変わらないものの、円高や電力供給不足,進まぬ法人税減税,自由貿易などと何十苦もの悪影響が企業を真剣に事業継続・拡大に向けた行動にたたせたました。
日本企業が海外企業をM&Aを積極的にすることはきわめて合理的な手法で,新たな市場を手元資金で短期間に手に入れることが可能です。メディアでは大企業が海外大手企業のM&A成立と報道が目立ちます。中小企業においても独自の技術や生産品を武器に、M&Aで成長ある市場へ進出し事業を拡大させチャンスです。

▼関連サイト:オフィシャル「政府:円高を活用しM&A促進に1,000億ドル基金創設」
●関連記事:M&A実行数過去最高:円高メリットで海外の資源・エネルギー確保/中小企業にも波及[2011.1.5配信]

[2011.8.29]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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