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財務省/賃上げ動向調査 中堅・中小にも広がる賃上げ

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中堅・中小の63.1%がベア実施、5%以上賃上げは33.9

財務省が4月22日に発表した企業の賃上げ動向調査によると、2024年度に基本給を一律に上げるベースアップをした企業の割合は大企業で81.1%、中堅・中小企業で63.1%だった。それぞれ前年度から3.2%ポイント、8.8%ポイント上昇した。


◆ベースアップを実施した

規模別

割合

昨年度比

大企業

81.1%

3.2%ポイント上昇

中堅・中小企業

63.1%

8.8%ポイント上昇

 

さらにベアを3%以上実施したと回答した企業の割合は、全規模・全産業で59.8%だった。大企業は68.5%、中堅・中小企業は52.0%だった。

 

◆ベア3%以上の実施

規模別

割合

全規模・全産業

59.8%

大企業

68.5%

中堅・中小企業

52.0%

 

 

 

 


また、ベアと定期昇給、賞与などを合わせた額が前年度に比べ5%を上回った割合は、全規模・全産業で前年度比16.5%ポイント増の46.5%、大企業が同27.4%ポイント増の65.9%、中堅・中小企業が同9.5%ポイント増の33.9%だった。

◆ベア、定期昇給、賞与などが5%以上増加

規模別

割合

昨年度比

全規模・全産業

46.5%

16.5%ポイント増

大企業

65.9%

27.4%ポイント増

中堅・中小企業

33.9%

9.5%ポイント増











価格転嫁に苦しむ一面も

一方「人件費を取引価格に上乗せできているか」という質問に対しては、「十分にはできていない」とか、「全くできていない」と回答した企業が大企業で44%、中堅・中小企業で50%といずれも半数前後に上っています。

 

◆人件費の価格転嫁が十分にはできていない、全くできていない

規模別

割合

大企業

44

中堅・中小企業

50

 

賃上げの動きを持続していくためには、いかに取引先の理解を得て、原資を確保していくかが課題となっています。

 

価格交渉に向けた磨き上げ

あらゆる業界で人手不足が叫ばれており、人材の確保が事業の存亡を左右するといっても過言ではない状況になっています。

さらにこの調査結果からわかるように、同じ中堅・中小企業でも、賃上げに成功している企業とそうでない企業との二極化が見られます。こうした傾向は今後も継続するでしょう。

自社の付加価値、競争力を見つめなおし、取引先との交渉を有利にすすめ。少しでも原資が確保できるよう努めましょう。

 

制度の利用

林芳正官房長官は同日午後の会見で調査結果に触れ、「昨年を上回る賃上げの動きが大企業だけでなく、中堅・中小企業に広がっていくことが重要」と述べました。

さらに労務費転化の指針や賃上げ促進税制の拡充、生産性の向上支援などで後押しし、「賃金が上がることが当たり前という前向きな意識を社会全体に定着させていきたい」とコメントしています。

これから出てくる補助金・助成金といった制度の活用も考え、世の中の賃上げの流れに負けぬようにしましょう。


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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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