中国レア・アース輸出規制、ベトナム、インド、モンゴルが協力体制
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外交カードを使うのか、日米欧に輸出規制
中国レア・アース(希土類)問題で10月24日、大畠経済産業相は中国商務次官と会談、対日輸出規制について早期改善を求めましたが、中国側は「中国政府として輸出停止の指示はしていない。日中経済に支障がないよう努力したい」と示しました。努力していれば世界的な問題にならないと感じるところです。レア・アースは日本ならず米国、欧州にまで輸出規制されたと10月20日、米ニューヨークタイムスでは報じていました。資源を外交カードと考えているのか日本、米国ではWTO(世界貿易機関)提訴を検討しています。
レア・アースの生産は世界の90%以上を中国が算出し、日本は世界最大の輸入国です。液晶ガラス研磨やハイブリッド車用モーターなどでは必要不可欠な資源。一国の輸出規制で日米欧との摩擦を強め、成長産業をストップさせようとしているのでしょうか。
需要の20%をベトナムで!共同開発も視野
レア・アースの輸出停滞をめぐり日本では、中国以外での資源確保に急速な動きを見せています。 政府は、ハイテク製品に不可欠なレア・アースをベトナムと共同開発する方針を固めました。10月31日、ベトナムのハノイで開かれる両首相トップ会談での合意を目指します。大畠経済産業相も「ベトナムとの共同開発は強く希望している。菅首相の訪問の際に合意できるよう努力したい」とコメント。ベトナムでのレア・アースはすでに日本の商社2社が平成21年1月にベトナム国営企業と合併会社を設立しており、平成23年から生産開始予定です。ベトナム・ドンパオ鉱床には17種のレア・アースが採掘でき、日本での需要の20%を賄える量とのことです。
日本の技術とインドの市場が相互の成長に
10月24日から来日しているインド・シン首相は、中国のレア・アース問題について「世界が突然ピンチに陥った」と指摘、「レア・アースはインドでも生産しており、この分野でインドは協力できる」とコメント。日本とインドの連携強化の重要性を訴えました。平成21年、インドでのレア・アースの生産量は2,700tで中国(120,000t)に次ぐ世界第二位の生産量で、埋蔵量は3,100,000tと言われています。
シン首相は日本とインドの関係を相互補完的と位置づけ、日本の技術とインドの市場が組み合わされば「互恵的な成長の機会」が訪れる強調しています。
レア・アース:日本は代替技術開発で!
日本政府はベトナムやインドの他、モンゴルとも10月2日、両首相のトップ会談が行われ、共同開発していく方針です。またレア・アースに変わる資源で高出力モーターなどをつくる研究開発も活発です。三菱電機は電磁石を応用して磁力を有効利用する技術を。大阪府立大学やダイキン工業は弱い磁石でも回転の推進力が高まる構造を見つけ試作されているようです。産業技術総合開発機構(NEDO)と北海道大では一般の磁石に着目、構造を工夫することで磁力を高めることに成功し、新型モーターの開発につなげました。また日立製作所では廃家電に含まれるレア・アースを自動的に取り出す開発に取り組み有効利用して多様化につなげるようです。。
コピーレア・アースでコピー製品輸出??
レア・アースがなくても日本にはこうした独自の技術を持っています。新技術とレア・アースの安定供給は両輪です。どちらが欠けても発展、エコは望めません。中国商務省は「横行する密輸を防ぐため、日本向けに限らず検査を強化している」として輸出の遅れを説明しています。密輸規制もわかりますが、中国だけにレア・アースまがいのコピー品輸出はしないで欲しいものです。
[2010.10.27]
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