燃料電池車トヨタ「ミライ」:燃料電池に水素供給して発電!CO2排出量削減、将来的には車両燃料にも。
車両からのCO2は削減、工場排出量は1割増
自動車最大手の「トヨタ」が、工場の二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するため、水素をエネルギー源として活用します。福岡県や九州大学などと組み、2020年の本格導入を目指しています。世界初の燃料電池車「ミライ」など、自動車での水素利用の発想を工場にも広げました。
トヨタの調査によると、ミライのほか、多くのハイブリッド車で車両から出るCO2の大幅削減に成功したものの、生産台数の拡大に伴い、世界の工場での排出量は逆に、01年比約1割増えました。工場の生産工程では、空調設備や加熱用の機械から排出されるCO2が、全排出量の6割を占めることも分かりました。こうした状況を改善するための水素利用ですが、まず、福岡県内の太陽光・風力設備で発電した電気で水を電気分解し、水素をつくります。その水素を貯蔵、必要に応じて燃料電池に供給して発電し、空調や、塗装を乾燥させる工程のエネルギーに当てます。「トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)」で、実証実験が始まっています。
トヨタの試みがCO2削減の試金石に
再生可能エネルギーからつくられた水素の量に余裕ができれば、工場内だけでなくミライなどの燃料として供給することも可能です。トヨタはこのノウハウを蓄積し、20年をメドに愛知県豊田市のミライの工場でも水素の本格利用を始める計画で、自動車と工場の両方での排出削減を進めます。
昨年末、温暖化ガスの削減目標を定めた「パリ協定」が採択されました。日本は30年度の排出量を、13年度比で26%減らす目標を決めています。各企業が排出量の削減を迫られており、トヨタの試みはその試金石になるでしょう。業種を問わず、追随してほしいと思います。
[2016.2.26]
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