東日本大震災事業者再生支援機構、中小再建の債権未だ866億円足らず!住宅ローンの減免・免除も復興予算の10分の1
中小の二重ローン支援する東日本大震災事業者再生支援機構
東日本大震災から4年が過ぎ,借入金を抱えながら被災した中小企業の再建に当たってきた東日本大震災事業者再生支援機構は3月4日、発足から3年で今年2月末までに買取った債権の総額が866億円に上ったことを発表。同機構は、借入金を抱えながら被災した中小企業などの経営再建を目的に、二重ローンをの状態に陥らずに済むように金融機関から債権を買取り返済期間の延長や免除などを行ってきました。
同機構によると、先月末までの被災した中小企業からの相談件数は2,166件。このうち554件の支援を決定したとしています。機構では,経営再建が遅れている中小企業もまだ多くあるため,今後も地元金融機関などと連携を密にして支援を強化するとしています。
中小支援1,050件の見込みが未だ554件
東日本大震災事業者再生支援機構では、今年3月末までに被災した中小企業など債権の買い取りなど当初は1,050件を見込んでいましたが,実態は約半数強にとどまります。
同機構の池田社長は、550社の企業の支援を決め「大ヤマは越えた」?と語り,震災とは関係のない「一般的な企業再生案件も増えてきた」とコメント。今後の課題として被災地のイメージが薄い茨城や千葉など新たなニーズの掘り起こしを行うとし、地域の金融機関を中心には積極的に支援を進めるとしています。被災地との企業とのの実態が合っているのか懸念も残ります。
住宅ローン減免、認知度は2割弱
一方,被災地の住宅ローンの二重ローン問題を減免,免除する制度を「知っている」と応えた被災者は18.2%にとどまりました。調査は、被災地の岩手,宮城、福島3件の仮設住宅で暮らす被災者を対象に昨年3月〜6月に実施。面接やアンケートなど3,846人を対象に調査を行い東北財務局が2月15日、明らかにしました。
住宅ローン減免,免除制度の活用件数は低調なまま、震災から4年過ぎ新たな住宅ローンを組む住宅再建が報道されるなか、支援制度がまだまだ知れ渡っていない実態も浮かび上がりました。
住宅ローン免除,阪神大震災を教訓に創設
住宅ローン減免、免除制度の正式名称は「個人版私的整理ガイドライン」。第三者機関の調停に基づいて金融機関などが債務放棄などに応じる仕組みです。阪神・淡路大震災などを教訓に被災住宅のローンが積み上がって生活再建を拒む二重ローン問題を解決するため創設されています。
政府は、運用開始時に約1万人の利用を見込んでいましたが相談は3月6日現在で5,475件。住宅ローン減免が成立したのはわずか1,182件。最近では相談も週に数件しかないと制度のPR不足や複雑な手続きなどが指摘されます。復興予算が消化されぬまま、自治体などの人手不足という理由だけで中小企業や,住宅ローンの軽減が後回しとなっている実態が浮き彫りになっています。
2015.3.17]
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