大手銀行5行、久々の住宅ローン金利2ヶ月連続引き上げ。大幅な上昇につながるか?
低水準ながら値上がり基調
大手銀行5行が7月から、住宅ローンの金利を引き上げます。全行とも2カ月連続の引き上げとなり、依然、低い水準ながら、久々の値上がり基調となりました。指標となる長期金利の上昇を受けたものです。
5行の内訳を見てみましょう。三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行は、住宅ローン主力の10年固定型で最も信用度の高い人に適用する金利(最優遇金利)を、6月より0.10ポイント引き上げ、年1.35%とします。みずほ銀行とりそな銀行は0.05ポイント高い1.30%へ。三井住友信託銀行は0.05ポイント高い0.95%です。変動金利は5行とも据え置いています。
急激な円安・株高が転機に
大手銀行の住宅ローン金利は、長らく過去最低水準にありました。昨年4月の消費税増税の影響で住宅市場が低迷し、銀行間が貸し出し競争に陥ったこと。また、ネット銀行の住宅ローン参入なども、住宅ローンの需要減に拍車をかけ、引き下げ基調を引き出していました。
転機となったのが、最近の急激な円安・株高です。安全資産とされる国債が売られたことで、住宅ローン金利の指標である「新発10年債」の利回りが上昇しました。このところ0.4%台で推移しています。しばらくはこの傾向が続くと思われますが、金融緩和を進める日銀は依然、低金利政策を続けており、大幅な金利上昇につながるかは疑問です。
減少傾向にあるなかで商機をつかむには
マンションや戸建ての物件着工件数は、現在減少傾向にあります。国土交通省によると、昨年の新規住宅着工戸数は、消費増税前の駆け込み需要の反動で、前年比10.8%減の88万470戸。5年ぶりに減少しました。
財布のひもが固くなった消費者心理をうまくつかむことが重要です。低い水準にある住宅ローンの全体状況や、金利が上昇しても返済期間中の金利が固定される「フラット35」などのメリットをうまく伝えるなど、今を商機とする工夫が求められます。
[2015.7.10]
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