全焼の「座敷わらしの宿」来春の営業再開を目指す。寄付など3500万円と基金で再建決定!
投資ファンドが観光名所の宿を救済
「座敷わらし」をご存じですか? 岩手県を中心に東北に伝えられる、幼児姿の精霊的な存在です。村の旧家の奥座敷に住み、その姿は子どもにしか見えません。家人にいたずらもしますが、見た者には幸運が訪れ、家が富むといわれます。その「座敷わらしに会える宿」として知られ、2009年10月に火事で全焼した、岩手県二戸市・金田一温泉の「緑風荘」の再開が決まりました。来春の営業開始を目指します。投資ファンドを活用しての再建でした。
全焼後、緑風荘は12年の再開を目指しましたが、費用が6億円にのぼり、一度は断念。観光名所でもあるため、市も協力することを検討していた折、東日本大震災で困難になりました。部屋数を18から10に減らし、総工費を3億円に下げましたが、自己資金では5000万円程度が足りません。窮余の策が、新生銀行、あおぞら銀行、三菱自動車、東ハトなどの企業再建でも活用されてきた、「投資ファンド」です。投資家から集めた資金をひとまとめにして投資し、投資先から配当や売却益などを得る仕組みです。全国の個人投資家に向けて投資を呼びかけました。
座敷わらしの宿が成功した投資ファンドの象徴になる日もやってくる?
投資ファンドを設立すると、寄付を含めて3500万円が集まり、金融機関からの融資の不足分を補うことができました。9月末には、地鎮祭が行われ、くわ入れをした社長の五日市洋(しょう)さんは、「我慢の連続だったけれど、皆さんの応援でこの日を迎えられた。本当に感謝しています」と喜びを語りました。座敷わらしが住むとされてきた名物の「槐(えんじゅ)の間」は図面をもとに復元され、宿泊者の共有スペースとして使われるそうです。
企業の再建に、人の善意が集まることがあります。もちろん投資ファンドですからビジネスなのですが、世の中、決して世知辛い話ばかりではありません。観光名所としてだけでなく、成功した投資ファンドの象徴にもなってほしいですね。座敷わらしも、きっと喜んでいるでしょう。
[2015.10.19]
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