4月の通貨供給量(マネーストック)、1241兆円/2.6%増(前年同月比)、M&AやREITの資金需要か
日本銀行(東京都中央区日本橋本石町 黒田東彦総裁)が、4月の通貨供給量(マネーストック※)を発表しました。
代表的な指標のひとつ「M3」(現金、銀行などの預金)の月中平均残高は、前年同月比2.6%増の1241兆円で、伸び率は2月の確報値と同じで、残高は2カ月ぶりに増加しました。
「M3」統計
通貨供給量を最も的確に示す指標M3、日銀が発表するマネーストック統計のうち、現金通貨+預金通貨に、準通貨(定期預金)及びCD(譲渡性預金※)を加えたもの。
従来の国内銀行、外国銀行日本国内の支店、信金中央金庫などに加え、ゆうちょ銀行の発行通貨を含むこと、証券会社や短資会社、非居住者の保有通貨を除いたことが特徴で、通貨供給量を最も的確に示します。
M&AやREITで資金需要が高まった
M3の内訳をみると、預金通貨は6.7%増、現金通貨も6.8%増で、前月よりも伸び率を拡大させました。
日銀は、「企業買収(M&A)や不動産投資信託(REIT)などの不動産関連投資で資金需要が高まり、資金需要が増えた」と分析しています。
4月上旬、中旬との輸出が好調で円高基調が続いていることから、順調に海外からの収入があることがマネーストック増加の背景にあるでしょう。
マイナス金利で譲渡性預金はマイナス
一方、譲渡性預金は14.5%減と、マイナス幅が前月(7.7%減)から大きく拡大する結果でした。
原因はマイナス金利です。譲渡性預金の金利が大幅に低下したため、相対的な魅力が薄れました。企業やl金融機関は、流動性のある預金などに資金を移動させています。
[2016.5.16]
譲渡性預金:
銀行の定期預金のひとつで、譲渡可能な定期預金証書のこと。
発行体は預金の受入れが可能な金融機関に限られる。certificate ofdepositの頭文字を取ってCDと表記れる。
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