2015年分の路線価発表! 大都市圏での回復加速のほか、被災県でも
10都道府県で価格上昇
国税庁は1日、2015年分(1月1日時点)の路線価を発表しました。東京都、大阪府、愛知県が昨年に続き上昇するなど、10都府県(昨年は8都府県)で昨年より価格があがっています。景気回復、円安の影響で、外国人観光客やオフィス需要が増加、国内外の資産が不動産投資に回ったことなどを受けたものでしょう。全国の平均変動率は前年比マイナス0.4%と7年連続の下落となったものの、大都市圏が引っ張る格好で回復傾向が強まっています。
内訳を見てみましょう。東京都の上昇率は2.1%と高く、都道府県庁所在地の最高路線価トップも、30年連続で東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通り。1平方メートルあたり2696万円で、前年より336万円あがり、上昇率も14.2%(前年は9.7%)となっています。2位は名古屋市の名駅通りで、大阪市の御堂筋、横浜の横浜駅西口バスターミナル前通りなどが続いています。
被災地でも急速に住宅需要が高まる
路線価が上がった他の府県は、2011年の東日本大震災で被災した宮城、福島、ほかには、埼玉、千葉、神奈川、京都、沖縄でした。被災地を訪ねるとよく分かりますが、津波で家を失った方々は高台に移り住み、東京電力福島第一原発の事故で避難をされた方たちの帰還も続いています。復興住宅の建築を含め、「大工さんが足りない」「建築資材が足りない」という声が、あちこちで聞かれます。住宅需要が急速に高まっており、復興の足音を響かせての上昇でした。
「億ション即日完売」の裏事情?
路線価は、庶民にとっても無関係ではありません。路線価とは、道路に面した宅地1平方メートルあたりの評価額を言いますが、相続税や贈与税、固定資産税の算定基準になるからです。今年1月、相続税が増税されました。相続財産から差し引かれる基礎控除額(非課税枠)が縮小され、路線価が上昇したことを受けて、大都市圏では影響を受ける人も増えるとみられます。都会では、超高級マンション、いわゆる億ションの即日完売が目に付くようになりましたが、これも相続税対策の一環でしょう。
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