ガソリン価格1リットル140円割れ、26週連続値下がりは過去最高!原油価格下落で懸念される世界への影響
石油ニーズの減少,米シェールオイル増産か
経済産業省資源エネルギー庁は1月21日、19日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格が前週に比べ3円安い139円60銭となったことを発表。同庁が平成2年に調査開始以来,26週連続の値下がりは過去最長となりました。
値下げの背景には、中国や欧州などの景気減速による消費減や、北米のシェールオイルの増産などで原油価格が下落。調査を行う石油情報センターでは、今後もガソリン価格は値下がりすると分析しています。
原油輸出国、ベネズエラ、ロシアで通貨下落
原油価格は、1月20日時点のニューヨーク原油市場で1バレル45ドルまで下落。日本を始め消費国には朗報となる一方、原油が全輸出額の9割を占めるベネズエラでは通貨ボリバルが実質半値に価値が減少。原油が輸出6割を占めるロシアでもルーブルが大幅に下落しました。
負の連鎖は欧州へも飛び火し、先行き不透明感から1月5日に株価は下落。翌日の東京市場でも影響がみられ、一時世界同時株安の様相を露呈しました。北米のシェールオイルの生産量増加など問題があったものの、これだけ下落することは誰にも予測できなかったでしょう。
家計や企業に恩恵ある一方,乱高下は世界の株式市場にも影響
原油の下落は本来,ガソリン価格やエネルギーコストの値下げで家計や企業に恩恵をもたらし経済にとってはプラスです。ただ、急激な乱高下は不安感を煽り世界的な株価下落にもつながりますが、逆オイルルショック状態はしばらく続きそうです。
原油下落の背景には、シェール革命による原油生産を拡大する米国と、それに対抗する中東諸国のシェア争いともみられています。原油価格の下落で、米国のシェールオイル採掘業者が採算割れとなり脱落するとの見方もありましたが、すでに米シェール業者の破綻は現実的になっています。
電気料金の値下げ期待,運輸,航空業界には追い風
原油下落は、ガソリンや灯油価格を下げ日本を含む消費者へ恩恵がいきわたります。今後は、火力発電費用も下がり電気料金の値下げも期待できます。運送や航空業界などにとっては追い風となっています。
ただ、原油価格は下がったものの、米ドルでのはなしで日本は輸入する際に円に換算して支払うため、円安がこれからも進めば原油安の恩恵も縮小されます。日銀は金融緩和を継続するなか,レギュラーガソリン1リットル140円割れはどこまで進むか注視されます。
[2015.1.30]
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