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アメリカン航空破綻:コスト削減の遅れ、追いつめるLCC(格安航空)会社の台頭

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米同時多発テロで11便がハイジャック、利用客激減
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米航空業界3位のアメリカン航空の親会社である持株会社AMR Corporationは11月29日、日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11条の適用を裁判所に申請しました。世界的な金融不安や景気低迷、先行き不透明のなか、高コスト体質が経営を圧迫。さらに燃料費の高騰など赤字経営で破綻に追いつめられました。
アメリカン航空といえば、平成12年9月に発生した米同時多発テロ事件で国内線11便がハイジャックされテロに利用されました。その後、利用客は激減し経営が悪化、一時は破綻に追いつめられた経緯があります。

米航空大手破綻のなかコスト削減で再浮上も
テロ事件後、アメリカン航空は、ユナイテッド航空やデルタ航空、ノースウェスト航空など大手ライバル会社が破綻するなか、機内サービスを減らすなどコスト削減によって破綻を回避。同社が再認識したコスト削減は、エコノミークラスの機内食廃止や新聞配布など細かな部分にまで徹底されました。
平成19年には米同時多発テロ事件以来、初の業績利益を達成し、テロに機体を利用され、被害者ながら破綻することなく甦ったとして様々な経済誌で高評価を与えられました。

徹底したコスト削減:ユナイテッド、コンチネンタル、デルタ復活
米国内ではすでにユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスとデルタ航空が破綻後、合理化を図りM&A(企業の合併・買収)によるコスト削減などで再生を果たしました。アメリカン航空は、さらなるコスト削減などの遅れが主因となり破綻、世界の航空業界の再編が再び高まります。
世界の航空業界では、ここ数年でLCC(格安航空会社)が主役の時代に変革しつつあり、顧客へのフルサービスを行う大手に対して、徹底したコスト削減で、低料金を実現しています。世界的不況な時代、多くの航空ニーズはサービスから価格へ移り変わります。

「世界中に提携相手がいる」コスト削減に自信:アメリカン航空ホーン社長
アメリカン航空のトーマス・ホートン社長は、「航空機やネットワークを最適化するため間違いなく縮小するだろう」と運行便数削減の可能性をコメント。さらに「最も重要な市場にハブ拠点があり、世界中に提携相手がいる」とし、コスト削減による再建に自信を見せます。
同社は、日米間で再建中の日本航空とも運行提携しており、来年再上場を目指す日本航空への影響も懸念されます。来春からは国内市場でもLCCが本格参入してきます。日の丸経営や主要路線での既存の利益獲得、代理店任せの航空券販売など、今までの殿様商売は通じない時代がやってきます。ひと昔前の「合理化」、現在は徹底した「コストカット」、安全が揺らいでいる気がするのは私だけでしょうか。

[2011.12.7]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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