羽田国際化オープンスカイ効果:旅客数2.1倍、貨物5.7倍/国交省「一定の効果あった」
国交省:羽田国際化、一定の効果はあった
羽田国際空港は10月21日、国際線旅客ターミナルオープンから1周年を迎えました。アジアを中心に「ヒト・モノ・カネ」の流れの拠点として国際化、24時間営業と期待され、利用者は今年8月までの10ケ月間で前年同期比2.1倍の566万人。国際貨物の取扱量も5,7倍と大きく増加しました。国土交通省では震災の影響があったものの「一定の効果はあった」と旅客倍増の効果を評価しています。
JALやANAなど日本の航空会社も「国際線で新たな需要を創り出せた」と旅客実績を高く評価しており、とくにビジネス客のニーズが高いと分析しています。国際化により昼間枠は年間発着数が3万回と大幅に増え、中国や韓国、台湾など近距離アジア路線の利用率の伸びが目立ちます。
外国人ビジネス客中心に7月から入国増
東京入国管理局によると、羽田国際空港から入国した外国人客は国際化直後の昨年11月に88,000人と増加し、今年1月には101,000人に達しました。しかし震災の影響は大きく4月には5,5000人と半減し落ち込んだものの、7月にはビシネス客を中心に78,000人まで回復してきました。
羽田空港の国際化に向け「羽田空港国際線ターミナル駅」を新設した京急電鉄では、8月、9月はいづれも1日平均利用客は14,000人と、1日平均1万人の想定を大きく上回ります。京急電鉄では空港利用客のほか、見学者も多いと空港の商業施設など一定の経済効果が伺えます。
B787就航、フランクフルト便就航で観光客訪日見込む
国土交通省によると現在羽田国際空港には、10ケ国、16都市の路線が就航されていますが、来年には新型旅客機ボーイング787の導入でドイツのフランクフルト便を就航させるなど、訪日外国人観光客増加の期待を高めます。
京浜急行バスと小田急箱根高速バスでは、ライバル同士手を組み、11月1日から羽田国際空港・箱根湯本駅間を結ぶ高速バスを運行させます。客の取り合いよりもまずは外国人に日本に来てもらうことを優先。日本有数の観光地、箱根の魅力を両社アピールします。ビジネス客が回復傾向を見せ、日本の復旧効果が伝わり外国人観光客もすぐに戻るでしょう。
国際貨物便増加策:着陸料半額、昼間枠運行許可
一方、国際貨物は5.7倍と取扱量が増加したものの、国土交通省の想定していた目標値には届いていません。羽田国際空港の今年8月まで10ケ月間の国際貨物の取扱量は約9万トンと大幅に伸びていますが、国土交通省は平成19年の予測に基づき、取扱い能力が50万トン規模の専用ターミナルを整備しており、まだまだ持て余している状況です。
震災の影響は多大であるも、国土交通省は4月に国際貨物便の着陸料を半額に値下げ、今月には深夜早朝に規制した貨物便をチャーター便に限り昼間枠の運行を認める方針を明らかにしています。貨物輸出入の準備はもう整っています。アジア中心にMade in Japanの売込み、貿易の自由化で日本復活です。
[2011.10.26]
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