トヨタ・日産全工場操業再開!/セントラル自動車被災地・宮城工場に機能集約「東北の希望」に
国内全工場一斉に操業再開
東日本大震災後操業が停止していたトヨタ自動車グループの国内14工場が、4月18日、車両生産を再開しました。操業を再開したのは、東北にあるセントラル自動車株式会社(神奈川県相模原市緑区大山町4ー12、取締役社長:葛原徹氏)の宮城工場(宮城県大衡村)や関東自動車工業株式会社(神奈川県横須賀市田浦港町無番地、取締役社長:服部哲夫氏)の岩手工場(岩手県金ケ崎町)など。震災後、部品の調達難などもあり、ほとんどの完成車工場が操業停止を強いられていましたが、1ヶ月余りを経てようやく全工場の再稼動に漕ぎ着けました。
日産自動車も同日、高級車用エンジンを生産するいわき工場(福島県いわき市)を再稼働させました。いわき工場の稼働に伴い、日産も国内の全5拠点で生産を再開させたことになります。
トヨタの豊田社長直々の現地調査、迅速な判断で再稼動実現
未だ余震の続く状況下で、被災地にある工場の再開について危険視する声も多くあったことは間違いありません。震災後被災した工場を訪れるなど、自ら現地調査を行ったトヨタの豊田章男社長が「一日も早く日常に戻すことが大切」と判断したとのことです。
生産現場では操業停止中も従業員が出社し、生産訓練を重ねている中、今回の再稼動の日を迎えました。トヨタ東北(宮城県大和町)の桜井幸三常務は「東北の経済復興という希望になると信じ、ラインの正常化に取り組んできた。東北の関連産業は今後、さらに発展できるはず」と力強く語っています。
部品調達難:当面は5割稼働で操業
トヨタ自動車は、大型連休は操業を休み5月10日以降再開するとのこと。ただし、約15種類の部品について安定的な調達が難しいとのことで、当面の稼働率は通常の5割程度にとどまる見通しです。また、6月3日までは全工場で5割程度の稼働率で生産を続けるとの方針を明らかにしています。
トヨタ海外生産通常の3~5割に/急がれる海外減産の補完
国内全工場の操業再開が実現した直後の4月20日、トヨタ自動車は中国の全工場で生産台数を通常の30~50%に引き下げることを発表しました。日本から調達する部品が不足しているための措置で、北米14工場でも減産を延長することも明らかにしています。 再開した国内各工場を一日も早くフル稼働させることで、これらの補完を行うことが求められます。
セントラル自動車、生産拠点を宮城へ/「自動車の東北」復興の下支えに
操業を再開した4月18日、セントラル自動車は神奈川県の相模原工場から今年1月に稼動した宮城工場へ、生産機能の前面集約を行う方針を発表しました。今年3月末に相模原工場を閉鎖し、生産機能、本社機能と従業員を宮城工場へ前面移管する予定でしたが、震災発生により延期されたものです。同社は震災後、トヨタ自動車から送られた救援物資を被災地に届け、社員をボランティアとして被災地に派遣するなど、地域の復興にも尽力しています。
すそ野の広い東北の部品産業、届かぬ川下の中小企業
今回の震災で、素材や部品工場が集まる東北の重要性が世界に認識されました。裾野の広い自動車産業の再開は、東北の経済復興に大きく影響するに違いありません。大企業では緊急保証などの支援で、自ら復旧、復興に向け動き出していますが、川下にある中小・企業には未だ復興支援の手が届いていません。政府の姿勢を示す第一歩として補正予算の早期成立させなければいけません。新しい東北をも見据えた事業が復興を遂げ、基盤となる産業を今まで以上に発展させたいものです。
[2011.4.25]
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