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10月8日二十四節気「寒露(かんろ)」です

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◆◆10月8日二十四節気「寒露」かんろ━━━━━━━◆◆ 
10月8日18時26分「寒露」です。旧暦9月、戌(いぬ)の月の正節で、秋分後の15日目にあたります。天文学的には太陽が黄経195度の点を通過するときをいいます。

100928_3.jpg寒露とは、野草に宿る冷たい露のこと。この頃になると秋も一段と深まり、朝晩は寒気を感じ始めます。山野には晩秋の色どりが濃くなり、櫨(はぜ)※の木の紅葉が美しい頃。雁などの冬鳥が渡って来て、菊が咲き始め、コオロギが鳴きやみます。暦便覧では、「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と説明しています。

「観天望気:かんてんぼうき」風や雲の動きや形でこれからの天気を予測することです。天気の諺では「朝焼けは雨の予兆・夕焼けの翌日は晴れる」といったものが有名、「秋の夕焼け鎌を砥げ」といった言い伝えもあります。これは収穫の時期に夕焼けの次の日は晴天だから刈り取りが出来るように鎌を研いで農作業の準備をするといった意味です。 寒露の頃五穀の収穫も最盛期に入り農家では繁忙を極めます。

さしずめ現代では「朝焼け出勤傘の用意」といったところでしょう。このように、私たちの先人は天気とともに生活をしていました。積乱雲でもすじ雲・イワシ雲・ヒツジ雲など天気の下り坂を予期していました。

※「櫨:はぜ」は、うるし科うるし属。6月頃に円錐状の黄緑色の小花を咲かせます。雄株には灰色の小果が実り、これから蝋(ろう)が取れます。山漆(やまうるし)によく似ていて触るとカブレるので注意。天正年間(1570年ごろ)に中国から種子で伝わり、蝋燭の原料として筑前で栽培されました。その後九州一円に広まりました。櫨の紅葉は、赤色がモミジより美しく鮮やかです。
  
◆◆「七十二侯」━━━━━━━━━━━━━━◆◆
◆初候「鴻雁来」(こうがんきたる):雁が飛来し始める。
◇雁が飛来し始める時節。鴻雁=秋に飛来する渡り鳥のがん。鴻鴈とも。「鴻」はがんの大型で「雁」はがんの小型のものをいいます。また、鴻雁は大きながんを指すことも。

◆次候「菊花開」(きくかひらく):菊の花が咲く。
◇菊の花が咲き始める時節。

◆末候「蟋蟀在戸」(しつそくこにあり):蟋蟀が戸の辺りで鳴く。
◇蟋蟀(きりぎりす)が戸にあって鳴く時節。蟋蟀(しっしゅう)=きりぎりす。促織(しつそつ)こおろぎ、いどとの異名。

 
◆◆「10月の花」━━━━━━━━━━━━━━◆◆
◆「菊」きく科きく属 学名:クリサンセマム ギリシャ語のchrysos(黄金色)+ anthemon(花)が語源。

開花時期は10月20日~12月20日頃。平安時代に中国から渡来しました。その後改良100928_4.jpgが重ねられ多くの品種が出来上がりました。「きく」は「菊を音読み」したもので、菊の文字は「散らばった米を一箇所に集める」の意です。菊の花弁を米に見立てたものでしょう。
「菊」は究極・最終を意味していて、1年の終わりに咲くことから名付けられました。

菊花展で見かける大輪の菊は「厚物」(あつもの)=大輪もの、「管物」(くだもの)=細い花びらのもの、に分けられます。

中国では「菊」は不老長寿の薬効があると信じられ、陰暦9月9日「重陽の節句」には菊酒を酌み交わし、長寿を願いました。これが日本に伝わり「重陽の宴」が催されるようになりました。後に菊は「皇室の紋章」となり、日本の国花になりました。

花言葉は「思慮深い」「真実、元気」「いつも愉快」「私はあなたを愛する」など。

 
◆◆「秋の七草」━━━━━━━━━━━━━━◆◆
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数うれば 七種(ななくさ)の花 萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花」 (山上憶良/万葉集)

★萩(はぎ)=豆科はぎ属。花は豆のような蝶形花。枝や葉は家畜の飼料や屋根ふきの材料。葉を落とした枝を束ねて箒(ほうき)に。根を煎じて眩暈やのぼせの薬にするなど人々の生活にも溶け込んでいました。

100928_5.jpg★薄(すすき)=稲科すすき属。収穫した物を悪霊から守る力があるとされます。屋根材の他に炭俵、家畜の餌などに利用されます。別名:尾花(おばな)。

★桔梗(ききょう)=ききょう科ききょう属、紫または白の美しい花。漢方では太い根を干して咳や咽喉の薬に。薬用成分のサポニンを含有し、昆虫にとっては有毒なため昆虫からの食害から自らを守っています。昔から武士に好まれたようで、家紋に取り入れられました。「桔梗の間」「桔梗門」など。万葉集に出てくる「朝顔」は、この桔梗のことであるといわれます。

★撫子(なでしこ)=なでしこ科なでしこ属、ピンク色の可憐な花。我が子を撫でるように可愛いことから。この花は「ピンク」という色の語源になっています。中国から平安時代に渡来した「唐撫子」(からなでしこ)に対して、在来種を「大和撫子」(やまとなでしこ)と呼び、日本女性の美称に使われます。

★葛(くず)=豆科くず属、周囲の木をツルで覆ってしまう程の生命力。大和の国(奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことから。「葛」は漢名。ツルの部分は「葛布」の原料。根は多量の澱粉を含んでいて、漢方薬で使われる「葛根」(かっこん:解熱作
用)の原料です。葛粉、葛餅など。

★藤袴(ふじばかま)=菊科ふじばかま属。花の色は藤色で、花弁の形が袴の形をしている。桜餅のような香り。平安時代の女性は、干した藤袴の茎や葉を水につけて髪を洗いました。また、防虫剤や芳香剤、お茶などにも利用していました。

★女郎花(おみなえし)=おみなえし科おみなえし属。山野に生える黄色い清楚な花。「おみな」は「女」の意。「えし」は古語「へし(圧)」のことで、美女を圧倒する美しさから。餅米で炊く御飯「おこわ」を「男飯」と言ったのに対し「粟(あわ)御飯」のことを「女飯」と言っていましたが、花が粟粒のように黄色く粒々していることから「女飯」を「おみなめし」「おみなえし」と言うようになったという説もあり。「女郎花」と書くようになったのは平安時代の中頃。因みに「男郎花」という花もあります。

春の七草は1月7日の「七種菜羹」(しちしゅさいのかん)を食べ無病を祈る風習で「食」に関するものですが、秋の七草は「花を楽しむ」ことに所以しています。

◇ ◇ 編集後記 ◇ ◇
秋は天気の移り変わりが激しく、地域ごとに明日の天気を予期する言い伝えが残っています。それがご当地出身ということなのでしょう。
ここにきて経済は停滞したまま動こうとしない反面、隣国など海外は大きく動いています。明日が不透明という点(天)では外交も秋の空と似ています。秋は台風の季節でもあります。停滞した経済を吹き飛ばしてもらい青空を眺めたいものです。世相の観天望気より、安心して晴耕雨読したいものです。
朝夕、冷え込みがきつくなってきました。読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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