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日本×インド:EPA協定締結/GDP8,9%のインド:対印輸出たった1%にこれからのビジネスチャンス

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対インド貿易、EPA発効で関税撤廃!韓国や新興国と同等の勝負に
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前原外務相は2月16日、外務省でインドのアナンド・シャルマ商工相と、貿易や投資など自由化する包括的なEPA(経済連携協定)に署名、締結しました。EPAは、国会で承認の手続きを経て今年、夏の発効を目指すとしています。インドとのEPA交渉は、平成19年1月に始まり、昨年10月には、新しい市場を求める日本と、経済成長を加速させたいインドが首脳間で合意、4年かかっての締結となりました。この間、日本の自動車関連産業や電機・電子産業などは10%を超えるインドでの関税に、韓国などアジア新興国に市場のシェアを奪われていました。EPA発効により、ようやく同じ土俵に立つことでき関連産業では、さらなる輸出拡大に絶好のビジネスチャンスです。

対インド貿易:人口12億人、貿易額は9,000億円でたった1%
平成21年の日印間の貿易は、9,000億円で、日本の外国貿易総額の構成比は1%にも満たない、まさにビジネスチャンスでしょう。インドは、中国の次なる新しいビジネス市場となるべく、人口は12億人と日本の約10倍。巨大市場に経済も急成長を遂げているようですが、中国同様、所得格差も問題となっているようです。インドの市場ニーズをしっかり調査しMade in JAPANを拡大させたいものです。

ETA協定:日本の得意分野の産業が対象、印の高いGDP成長率が魅力
JETRO(日本貿易振興機構)によると平成22年の第2四半期(7月~9月)のインドの実質GDP成長率は前年同期比8.9%と経済規模は成長を遂げています。産業別では、製造業が9.8%、建設業が8.8%、サービス分野の貿易・ホテル・運輸・通信業では12.1%と2桁の伸びを見せています。政府は、EPA発効に伴う対象となる主要品目に自動車部品、鉄鋼、電機・電子、一般機械関連産業などの他、サービス分野の貿易では、小売業のインド市場の参入自由化も記載されました。日本の企業がインドでフランチャイズ展開する場合、100%出資できる1つの現地法人の設立で数店舗の展開が可能としています。日本企業にとっては主要品目から見ても多くの得意分野の産業が対象となり、さらなる輸出拡大が見込めそうです。

FTAなら規制、EPAなら非課税
FTA(自由貿易協定)であればインドが海外企業を規制の対象としているところを、今回締結のEPA協定の場合には日本企業は高い関税の対象外となっていて魅力的です。前原外務相は、「これをきっかけに、両国の戦略的なパートナーシップが、さらに発展していくことを希望している」と強調。一方、シャルマ商工相は、「急成長を遂げるインドへの、日本企業の進出に期待している」とコメントしています。
 
FTA(自由貿易協定:Free Trade Agreement)/特定の国や地域との間でかかる関税や企業への規制を取り払い、物やサービスの流通を自由に行えるようにする条約のこと
EPA(経済連携協定:Economic Partnership Agreement)/物流に限らず、人の移動、知的財産の保護、投資、競争政策など幅広い分野での連携で、親密な関係の更なる強化を目指す条約のこと

米、英、仏、露などインド市場狙い/欧米:突起する中国へのけん制
急成長を遂げる巨大市場のインドは、日本ならずとも世界から将来的な消費大国と位置づけられ、欧米諸国もこの市場を狙っています。昨年以降、米、英、仏、露の首脳がインドを訪れ貿易拡大やエネルギー協力を打ち出していると報道がありました。1月に対外貿易で前年同月比44%増加した中国に対しての、欧米諸国のけん制とも報じています。

先にEPA締結の韓国は:「日印EPAが韓国企業に影響」を調査
一方、昨年1月にインドとのEPAが発効され優位な立場の韓国は、日印EPA締結を受け、韓国貿易協会が「日印EPA締結が韓国企業に及ぼす影響」をとりまとめ政府へ提出。インド市場で競合していた日本が関税撤廃などで「経費の節減などの利点が損なわれる恐れがある」と分析しているようです。関税が撤廃されれば、日韓対等な立場となり、インド市場で日本企業の底力を見せることができるでしょう。同協会では、自動車部品や石油化学、電子、機械などの分野で韓国より日本が有利とし、「関連企業は、競争国との関税撤廃要求などを把握し、それに応じたマーケティング戦略が必要」とありました。インド市場で日本製品が他国同等製品と勝負できる価格となれば、あとはハイクオリティな技術、ブランドイメージ、そして日本への親しみで心を掴み、輸出拡大に繋げたいものです。

EPAの次には巨大プロジェクトも
EPAの署名に同行していたハリ・バティア・インド工業連盟会長は、「EPAにより、日印間の貿易と投資が飛躍的に増大すると確信している」とコメント。一方、岡村日本商工会議所会頭は、「わが国の中小企業のインドにおける事業展開促進に資するものと評価したい」と産業界では早くも日印貿易拡大に大いなる期待が寄せられている。
みずほコーポレート銀行は、2月17日、インド最大の財閥・タタグループと協力強化に向けた覚書きを締結。タタの設立するファンドに出資し、インドへ進出する取引企業の後押しをするようです。EPA締結により、今後も政府や金融期間、公共団体、自治体など、中小企業にとって様々なインド進出支援策が打ち出されるでしょう。

印のインフラ:DMIC(デリームンバイ間産業大動脈構想)/EPAの副産物か
EPA署名で来日した商工相は、菅首相とDMIC(デリームンバイ間産業大動脈構想)について会談。2大都市インフラ巨大プロジェクトとも言えるDMICは、東京・大阪間の太平洋ベルト地帯構想をモデルに平成19年にスタートしています。構想には鉄道や発電設備、港湾、空港などのインフラ事業整備が計画されています。EPA発効で、日印がスムーズな貿易を拡大しながら、友好を深め、他の産業へも波及効果を生み出して欲しいものです。インフラ整備など巨大プロジェクトの親密なパートナーとして新成長戦略のパッケージ型インフラ事業でもガッチリと手を結びたいものです。
[2011.2.21]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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