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農水省、6次産業化法:農業生産から輸出まで事業化へ/金融支援・海外販路支援

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3月1日、6次産業化へ優遇措置の申請受付開始
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農林水産省は2月28日、「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律(6次産業化法)」が3月1日に施行のをもとに、農業の事業化へ向けた「総合化事業計画」、「研究開発・成果事業利用計画」の認定に関する申請受付を開始したと公表しました。農林水産省では、農林漁業の経営改善を図るため、農林水産物やバイオマスなど副産物の生産と加工、販売を総合的に行う事業計画で、同省の認定が適用されれば金融支援や輸出など拡販支援、種苗法出願料の減免、農地転用手続きの簡素化などの特例措置を受けられると言います。
 
第6次産業/平成23年からプランナー配置:業者に情報提供
第6次産業は、1次産業の生産、2次産業の加工、3次産業の販売を足し合わせた造語で、生産から販売まで一貫して行ない、農林水産省でも推進しています。適用された農林漁業者は、平成23年度から配置される予定のマーケティングや食品加工に詳しい6次産業化プランナーによって、新商品の開発や、マーケティングによる販路の開拓、加工のための技術研修などの情報を、第6次産業を目指す農林漁業者に提供すると言います。また、農業法人などが加工・流通・販売するための設備や施設などの負担も政府が1/2など補助し、支援するとしています。

6次産業化プランナー:農業の事業化までサポート/無利子施設整備資金を用意!半分を補助
中国など新興国では、日本の農林水産物は「安心、安全、おいしい」と中間層から富裕層が高級スーパーで購入していると言います。農林水産省は、平成23年度、日本の農林水産物を海外市場で展開するため、留意するポイントなどをセミナーを開催。また海外市場の有力なバイヤーを日本へ招いての商談会を行うとしています。海外市場へは、官民一体となった派遣を行い、現地でのマーケティング、取引先候補との情報交換を行い、その地区のニーズに合った農林水産物の輸出を促進する計画を実施するようです。
 
 
適用業者:無担無保証の運転資金、「新スーパーS資金」の利用も可能
金融支援では、農業の拡大、事業化に農業改良資金として無利子の施設整備資金を用意。償還期間も10年から12年に延長するとしています。また適用農林漁業者には無担保・無保証人の短期運転資金、「新スーパーS資金」の利用も可能となるようです。農林水産省では、6次産業化プランナーが6次産業化の計画から生産・加工・販売者が一体となった事業化まで一貫して支援し、総合的なサポートを行うとしています。6次産業化プランナーは各都道府県に4~5名配置する予定だと言います。

農林水産物と副産物で「儲かる農林水産業」へ
6次産業化法は、農林漁業の第6次産業化で、地域ぐるみで農業法人化や株式会社化へ取り組み、経営の多角化や食品の輸出などを行って「儲かる農林水産業」を目指すと言います。地域の農林水産物に加え、地域資源としてのバイオマスや自然、エネルギー、伝統文化などを活用して地域を活性化。農業事業としての所得拡大や雇用の確保、後継者不足の解消を行うとしています。
バイオマスは、生ゴミや木くずなど動植物から生まれる再生可能な有機資源で、地球温暖化防止など農林水産省でも利活用を推進しています。平成14年よりバイオマスの具体的な計画、「バイオマス・ニッポン総合戦略」として利活用を促しています。同省では、バイオマスの発生からバイオ燃料の利用まで、総合的に利活用が地域内で行われるよう「バイオマスタウン構想」に取り組んでいます。2月28日には、広島県の東広島市と神石高原町の2市町が新たに公表され、「バイオマスタウン構想」は、288地区になったとが公表しました。資源の少ない日本で、農林水産物の副産物で得られたエコなエネルギーの利活用拡大に期待でき、バイオ技術も農林水産物とともに輸出したいものです。

3月1日:農林水産物の海外見本市、出展者公募開始
農林水産省は、3月1日、6次産業化法施行に伴い、生産者と加工業者、流通業者などの結びつきを強め、商品開発や商談会などを行う「6次産業化戦略室」を省内に設置しました。同日には、「平成23年度輸出倍増リード事業のうちジャパンパビリオン設置」の出展希望者の公募が始まりました。国内では少子高齢化や先々の人口減少から農林水産物や食品の需要は減少。同省ではアジアの新興国を中心に、海外で開催される農林水産物、食品の見本市にジャパンパビリオンを設置し、新しい市場への輸出促進に出展者を公募しています。見本市は、5月18日、中国から始まり香港、ロシア、ドイツ、韓国、インド、アラブ首長国連邦と来年まで続き、海外での販路拡大には絶好のチャンスです。日本のクオリティの高い農林水産物を世界に紹介し、世界中に日本食ブームを起こし、輸出拡大で産業を活性化したいものです。
 
日本の農業は「強い、攻めの農業」へ
日本の農業は、6次産業化法や戸別所得補償、輸出促進と政府の支援で「強い、攻めの農業」へ変わろうとしています。あとはTPP(環太平洋経済連携協定)で開国、国内と海外の貿易をスムーズにし、産業を発展させたいものです。

[2011.3.4]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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