金融成長戦略:全容明らかに!/JASDAQ、マザーズ市場魅力上昇
上場企業激減の新興市場に明るい兆し
新ジャスダックや東証マザーズなど新興市場では、12月6日、主要2指数が続伸しました。日経ジャスダック平均1,200円とマザース指数400の大台をそろって回復、4ケ月ぶりの高値水準でした。新ジャスダックでは新指数「JASDAQ―TOP20」への注目が続いていることも追い風となっているようで、20銘柄のうち16銘柄が単独でも上昇しています。一方、東証マザースでは上場4日目のイーガーディアンが続伸、新興市場全体の売買代金ランキングで2位になるなど目立っています。
上場企業激減は魅力不足だった
国内の新興市場は、ベンチャー企業のアジア市場での上場し易さなどの影響もあり、国内新興市場での上場を目指す企業が激減しました。原因の一つには、上場しても売買そのものが落ち込みを見せているなど、市場として魅力不足だったのです。今後は新ジャスダック、東証マザーズとも、少しずつですが投資家の目を向けるような工夫を見せてくれるでしょう。これでベンチャー企業にとっても新興市場が魅力的になりそうです。
金融支援、上場手続き緩和へ
政府は平成22年6月に新成長戦略をまとめ、その中で「金融成長戦略」を掲げていました。政府が初めて策定する金融成長戦略(アクションプラン)の全容が6日明らかになりました。政府では具体策を「金融自身が成長産業として経済をリードする」として、国内の新興市場の信頼回復と活性化を柱に盛り込みました。戦略の一部には成長が見込める上場予備軍の企業を発掘して、「優良企業リスト」をつくり、上場を促すための資本政策などの支援を行います。ベンチャー企業などは、資金調達の目的から新興市場へ上場を試みるものの、上場に関しての手続きや煩雑な資料作成の手間、上場審査など先の見えない時間、多額な手続き費用の負担など、このような参入障壁で上場を見合わせる企業も少なくありません。特にアジアの新興市場では高い経済成長から、日本国内のベンチャー企業へ上場誘致も頻繁にあるそうです。国内新興市場の成長は、政府の上場支援により一層、市場活性化されることでしょう。
低成長企業は退場!も検討
政府の金融成長戦略では、新興市場へ上場後、成長力や信頼性が乏しくなった企業を市場から退場させるなど、厳しい仕組みも検討しているようです。また、金融庁と東京証券取引所が協力し、機関投資家などプロ向けの社債市場「東京プロボンドマーケット」を来春に設立するとしています。英語での情報開示も承認し、書類の簡素化など海外の企業も呼び込むとしています。
新興市場は、東証1部などに比べ、値動きは非常に大きいのが特徴で規模の小さな企業も多く上場しています。中には新興というだけで売買される銘柄も多くあり、1年で2倍、3倍となる銘柄も存在する投資家にとっては魅力のある市場です。しかしライブドアショック以降、信頼を失い上昇傾向であった市場が下落、未だ持ち直していないのが現況です。政府の金融成長戦略である緩和策や優遇措置で、魅力ある企業を探し出し、上場を目指し新しい投資家を呼び込んで欲しいものです。
規模はアジア最大、市場はめっきり低迷
平成22年10月に統合されたばかりの新ジャスダックは、アジア最大の新興市場としてスタートしましたが、規模だけが最大で市場そのものは韓国の新興市場にも劣るものでした。投資家向けに上場企業の分析レポートの提供や、上場企業の施設見学ツアーなども企画され、新市場活性化に努力はあったものの市場を賑わせるには至っていません。
新興市場は成長を遂げるベンチャー企業などの資金調達のインフラと言えるでしょう。日本の明日を担う企業が経済を発展させるという、日本が成長する源です。政府の金融成長戦略によって、新しい芽のあるベンチャー企業を円滑に上場を果たし、投資家への情報開示をタイムリーに行ない、新興市場にこれまでにない活況を取り戻したいものです。
[2010.12.9]
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