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感動の帰還、小惑星探査機「はやぶさ」に経済効果はあるか!

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快挙!英BBC帰還を紹介、NASAトップページでも紹介
101124_1.jpg世界初、小惑星「イトカワ」の表面物質を持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ」の反響が海外にも広がっています。英BBCは「日本の探査機が7年の旅を経て、小惑星の粒子をとってきた」と題し、小惑星探査機「はやぶさ」の打ち上げから帰還までを紹介、「回収はうまくいった。粒子は髪の毛の太さよりも小さいが、地球外物質の様子を物語るだろう」とのコメントを発表しました。また、NASA(米航空宇宙局)ではトップページで「はやぶさ」が持ち帰った微粒子を紹介。約1,500個の微粒子は直径1/100ミリ以下のサイズで「非常に小さな粒子を、研究者は一つひとつ取り出した」と日本人の根気と手先の器用さを称賛しています。
3億キロの彼方から微量ながらも、太陽系の起源解明につながると思われる小惑星の粒子を持ち帰った「はやぶさ」は日本の先端技術です。微粒子と一緒にクオリティの高さをも世界へ届けてくれました。サンプル回収は米国やロシアでさえもなし得ない快挙で人類の叡智の前進に大きく踏み出す事になるでしょう。

ロジカルチームワーク委員会:最優秀賞
「はやぶさ」の飛行は打ち上げ当初から、不安定で通信のトラブルで宇宙で迷子になったことは有名。通信途絶のなか、広い宇宙で「はやぶさ」をどうやって見つけるのか。故障したエンジンを生き残った機能に組み合わせ帰還させました。このような離れ業もあったようでJAXA(宇宙航空研究開発機構)の川口教授は「プロジェクトにかかわったすべての研究者と技術者の努力と粘り強さをたたえたい」とコメントしています。
チームワークの重要性の認知と向上と促進を目的にした団体「ロジカルチームワーク委員会」が主催する今年最高の「チームワーク最優秀賞」に「はやぶさ」プロジェクトチーム(JAXA)が選ばれました。目標を共有し、万難を排してことをなし遂げたと投票があったようです。

はやぶさ:使命を果たし燃え尽きる運命に感動
「はやぶさ」は採取した微粒子を傷だらけになりながらも地球に持ち帰るという使命。大気圏突入で「はやぶさ」自身は燃え尽きたものの、サンプル採取カプセルだけを無事に地球へ届けた姿は感動を与えてくれました。大気圏突入時の映像は大きな炎からバラバラになり更に燃え、その光が燃え尽きて地上には届かずに7年の使命を果たした満足を物語っているようでした。思わず涙した方もいらっしゃるでしょう。

事業仕分け、また科学探査予算縮減か
「はやぶさ」に関わる科学探査の予算は平成22年度に1,800億円。科学探査101124_2.jpgは経済的に実利に結びつきにくいということから、予算が縮減されかねない状況にありました。11月18日に行われた民主党の目玉政策事業仕分けでは、説明者席に今年4月、国際宇宙ステーションで作業した宇宙飛行士の山崎直子さんを座らせしっかりアピール。「はやぶさ」の大健闘もあってJAXA側の林政務官は「はやぶさなど多くの成果でJAXAは世界の科学技術の発展に大きな役割を果たしている」と強調。作戦は成功のようで事業仕分けによる予算縮減の危機を脱したようです。

平成21年秋の事業仕分けで「はやぶさ2」を含む宇宙開発予算に「縮減」判定を下しました。これによって「民主党は科学技術を切り捨てようとしている」と研究者、ノーベル賞受賞者、国民から批判を招いたものです。

はやぶさ応用人工衛星で世界市場
科学技術は、経済成長となる以外にも新しい発見、人類誕生の神秘など人々に知識という財産を築いてくれます。「はやぶさ」成果はこれからも世界に伝わっていくでしょう。
これからの宇宙開発はNECなどと共同で防災などに使用する低価格の人工衛星システムを開発し、平成24年にも実用化すると11月19日報道がありました。低価格人工衛星には「はやぶさ」の基本構造や自立制御機能などが応用され、打ち上げなどを含めた初期費用を7割程度の約180億円に抑え新興国へ売り込むそうです。すでにエジプトやブラジルが候補にあがっていて、低価格人工衛星は世界市場を開拓していきます。

エコの次は低価格人工衛星で新しい産業へ
日本は宇宙開発ではやぶさ同様、一度はエンジン開発で迷子になったものの、今では目的を達成できる技術と人材を誇っています。官民共同で開発した低価格人工衛星が各国に普及し、「宇宙開発利用と言えば日本の技術」となってエコ関連の次の新しい産業に発展させたいものです。そうすれば人工衛星用パーツ製造の中小企業や、量産できないパーツの製造を請け負う大田区の中小企業や手仕事職人が紹介される時代が近々来そうです。

[2010.11.24]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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