NASA認定日本の技術:認定技術者養成の拡充!中国レアアース問題が引き金
NASAが認めた日本の技術
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が20日、文部科学省宇宙開発委員会に提出した報告によると、米航空宇宙局(NASA)が、アメリカ合衆国・ロシア・日本・カナダ及び欧州宇宙機関 (ESA) 加盟11カ国が協力して建設を進めている国際宇宙ステーション(ISS)で使われる日本製の実験装置について、安全審査の権限をJAXAに全面委譲すると決定しました。日本の有人宇宙技術が米国で評価された結果です。
航空機パーツ国産化へ!住金系と中小が連携
ボルト、ナットなどの総合元卸販売の由良産商(大阪府大阪市西区立売堀4-8-17)は、航空機部品メーカーや住友精密工業の協力を得て、近畿圏の中小企業など約10社と連携し、航空機部品事業に参入し航空機向けのシリンダー周辺部品などの国産化を目指すそうです。
住友精密は航空機の降着装置である主脚部分を製造、部品の7割程度は海外メーカーから調達しており、国内調達先の確保が課題となっていましたが、「参加企業は自動車中心の仕事をしてきたが、航空機の部品にも十分応用できる技術がある。国産化できれば、コスト削減で競争力が高まる(五十嵐健調査役)」と話しています。この取り組みは、近畿経済産業局の「関西メガ・リージョン活性化構想」に基づき、同局が仲介などを行って実現しました。
日本の中小企業の技術力とクオリティーの高さから、新しい可能性と将来が見えます。
東京都、中小の職人技術継承を支援
東京都は中小企業の熟練工が持つ高度な職人技術を、若い技術者に伝える取り組みを6月に始めました。熟練工による講習会や工場での研修を実施しています。
東京都内の中小製造業は旋盤加工や機械研磨などで高度な技術を持つが、経営不振などから廃業するケースが多く、モノづくりの基盤となる技術失われるのを防ぐため、都は技術保存を目指しています。
誤差μm!旋盤職人が消える
大田区や荒川区などを中心に、誤差をマイクロメートル単位で抑える旋盤職人など、高度な技術を持つ中小企業が多いが、どこも深刻な後継者不足です。東京都産業労働局は企業の枠を超えて、優れた技能を継承する仕組みを整えることで「東京の優れたものづくり技術がなくなることを何とか防ぎたい」としています。
後継者がいないという理由で高度な技術が途絶えることを回避しようと、地域ごとに対策が始まっています。
独のマイスター制度は産業発展の基礎
ドイツ発祥の職能訓練制度に「マイスター制度」があります。中世以来の手工業の技を引き継ぐために1953年に法制化され、ドイツの産業発展を支えてきました。
日本でも平成10年度に高度な技能の維持・継承や人材育成等の活動が出来る優秀な熟練技能者を認定する「高度熟練技能活用促進事業制度」を創設していますが、目的は技能の維持・継承等に限られ、活動内容は国内での技能指導や職業訓練にとどまっています。
日本版マイスター、「技術認定制度」創設
この促進制度の拡大版として「技術認定制度」を創設し、国内外に広く告知、また、「認定技術者・認定企業」は政府が保護し、補助金、融資条件の優遇処置や、国内外の他企業との提携や契約の窓口機能を政府機関が担う、というような国家戦略が求められるのです。
「技術力」は「資源」と同じではないのか
資源の少ない日本にとって、技術力の維持向上は不可欠です。日本の高度な職人技術と世界のビジネスが結びつけば、外貨獲得・収益拡大・後継者問題解消と好転するでしょう。
技術伝承分野においては、人的資源に対して大いに投資すべきだと考えます。
日本は少資源、人的資源で技術継承
私たちは人的資源を無駄にしてはいないか?可能性を摘んではいないか?中国のレアアース輸出停止の今こそ、お家芸で代替技術を生み出してもらいたいものです。そのためには技術や技能をもつ開発者、技術者の育成を惜しまないことが大切です。職人の経験からのアイデアが、台頭しているアジア新興国との差別化となり、日本独自の安定的経済に大いに寄与するでしょう。
[2010.10.23]
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