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日銀:10月追加量的緩和、国債・CP・ETF・REITに基金創設

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10月追加金融緩和
101006_3.gif日銀の10月追加金融緩和には大きく3つの柱があります。1つ目は無担保コール翌日物金利の引き下げです。これは誘導レートを現在の0.1%から0~0.1%の範囲へ引き下げます。これによって金融機関は金利の安い資金調達が可能になります。
2つ目の柱は、安定した物価が展望できるまで実質ゼロ金利を継続するとしました。中期的に1%前後まで物価が上がってくるまでは実質的にゼロ金利となり、相当大きなアンカーだと言えます。
3つ目の柱は基金の創設です。今回最も注目される3つ目の柱、資産を買い入れるための基金(ファンド)の創設です。国債だけでなく、コマーシャルペーパー(CP)、社債、株価指数連動型の上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)など多様なリスク資産の買い入れ方針を打ち出しました。

日銀基金創設:リスク資産購入まで踏み込む
11月2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、連邦準備制度理事会(FRB)が追加緩和策を出すと見られてます。市場関係者の多くは、国債の買い入れ増のみで、他の金融商品の買い増しまでには至らないだろうと予想しています。一方で日銀は、国債、CPの他に、株式資産のETFとREITの購入まで踏み込んで打ち出しました。リスクのある資産に対して、中央銀行が影響を及ぼす点では米国よりも積極的な対策です。このところ日銀は後手を踏んでいるとの批判を受けています。今回の対応は一歩踏み込んだ先手の対応だと判断できて積極的だと評価できます。

円高対策も急務
日本商工会議所の緊急調査によると会員の中小企業が望む景気対策として最も多かったのが円高対策です。肝心な円高是正という目標も、現在市場がFRBの追加緩和を織り込んでドル安を予想している中で効果は限定的です。日銀の追加緩和報道直後の欧州市場では一時84円台まで円売りが進みましたが、その後早くもさらなる緩和を求めるかのように、米国市場では一時82円台に上昇しました。

片輪が日銀・もう片輪は?
日銀が追加緩和政策に踏み切ったことで、次の焦点は政府の経済対策に移っていきます。現在の状況は「資金の準備は整った、しかし制度の準備が遅れている」と言えます。今回の追加緩和を受け「低金利で資金調達はしやすくなるが、まだ受注は不安定で設備投資できる状況ではない」との声もあります。日銀が思い切った金融緩和を打ち出しても、企業や家計の資金需要が弱含みでは効果は出ません。

これからの政府発表に注目!
そこで金融緩和と歩調を合わせた対応が肝要です。政府は今後、円高・デフレ対策、効果的な補正予算に加えて自由貿易協定(FTA)の締結や、法人税減税、中小企業振興政策を矢継ぎ早に打ち出し、これらが進めば都市部・地方に限らず中小企業の販路拡大、雇用の促進にも寄与し、家計の消費拡大を呼び実体経済での景気回復・デフレ脱却も視野に入ります。

停滞したデフレからインフレ基調に・・・
これからの経済は世界的なデフレから、実体経済ベースでのインフレ基調になります。昨日とは違う明日が待っているのですから、情報収集を怠らないように!意外とビックチャンスが待っているかも知れませんよ。

[2010.10.7]

 

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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