倒産統計 2024年上期

倒産件数 6半期連続で増加
10月8日に帝国データバンクより2024年上半期の倒産件数が発表されました。それによると、2024年度上半期の企業倒産は4990件となり、前年同期(4208件)を18.6%上回りました。物価高、人手不足、追加利上げなどで企業の経営環境が二極化するなかで、年度下半期も企業倒産が減少に転じる要素に乏しく、2024年度は11年ぶりの1万件台となる見通しとなっています。
9月倒産件数 29カ月連続前年同月比増加
また、直近9月の倒産件数は741件を数え、29カ月連続で前年同月を上回りました。年ベースでみても、2024年1-9月は7294件と前年同期(6128件)を19.0%上回っており、このまま緩やかな増加が続く見通しです。

帝国データバンクより
2年連続で全業種が前年同期を上回る
業種別にみると、2年連続で全業種が前年同期を上回りました。『サービス業』(前年同期1022件→1312件、28.4%増)が最も多く、『小売業』(同885件→1048件、18.4%増)、『建設業』(同841件→921件、9.5%増)と続いています。『サービス業』は2000年度以降で最多となり、『小売業』は上半期としては2013年度(1021件)以来、11年ぶりに1000件を上回りました。『運輸・通信業』(同217件→249件、14.7%増)は、上半期としては2年連続で200件を超えました。
業種を細かくみると、『小売業』では、「飲食店」(前年同期381件→439件)が最も多く、2000年度以降で最多となりました。また、「飲食料品小売」(同142件→166件)と『卸売業』の「飲食料品卸売」(同124件→145件)も1割以上増加し、仕入れ価格の高騰や物価高が要因となり、食品関連分野の倒産が目立ちました。『建設業』では、職人の高齢化や人手不足によって、上半期としては11年ぶりに400件を上回りました。
| 業種 | 2023年上半期 | 2024年上半期 | 前年同月比 | ポイント |
| サービス業 | 1022 | 1312 | 28.4% 増 | 『サービス業』は2000年度以降で最多。 |
| 小売業 | 885 | 1048 | 18.4% 増 | 上半期としては11年ぶりに1000件を上回った。 |
| 建設業 | 841 | 921 | 9.5% 増 | 上半期としては11年ぶりに400件を上回った。 |
| 運輸・通信業 | 217 | 249 | 14.7% 増 | 上半期としては2年連続で200件を超えた。 |
『不況型倒産』の件数は4171件、11年ぶりに4000件を上回る
主因別にみると、「販売不振」が4100件(前年同期3312件、23.8%増)で最も多く、全体の82.2%(対前年同期3.5ポイント増)を占めました。これは2015年度上半期(82.5%)に次ぐ、過去2番目の高水準でした。「不良債権の累積」(前年同期8件→10件、25.0%増)や「売掛金回収難」(同17件→32件、88.2%増)などを含めた『不況型倒産』の合計は4171件(同3377件、23.5%増)で、11年ぶりに4000件を上回りました。
『粉飾倒産』が急増、年間最多を更新へ
不適切な会計処理の末、経営破綻に追い込まれる『粉飾倒産』が急増しています。
2024年の粉飾倒産は9月までで74件判明し、集計を開始した2016年以降で同期間(1-9月)における最多を更新。このままのペースで推移すれば、年間最多件数(2019年・84件)を更新するのは確実視されています。
近年の粉飾決算の特徴のひとつとして、金融機関に借入金の返済猶予や追加支援を申し入れた際に発覚する事例が相次いでおり、アフターコロナの局面ではこうした動きが相次ぎそうです。
◆9月の主な粉飾倒産企業
| 環境経営総合研究所 | プラスチック代替の素材メーカー | 負債246億円 | 会社更生法 |
| 旭機工 | 太陽光発電事業 | 負債52億8300万円 | 民事再生法 |
これから
今年8月に金融庁より公表された2024年版の「金融行政方針」の中に、次のような項目が掲げられています。
項目:<事業者の持続的な成長を促す融資慣行の確立>
これは、「経営者保証への依存をなくし、事業性評価に基づいた融資を促進することで、事業者の持続的な成長を支援する」ことを目的にしています。
こうした背景から、金融庁は金融機関に対して、個別債権(融資先)の資産査定も辞さない姿勢を示しています。これにより、各金融機関がこれまで以上に企業を見る目が厳しくなるのではと言われています。
企業にとって、自社の収益力やキャッシュ・フローを生み出す源泉を見つめ直し、より磨きをかけていくことがますます重要となってくるでしょう。
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