東芝、ランディス・ギア買収で一気にスマートグリッド普及へ:需要急拡大・住宅用太陽光発電システム

太陽光発電国内出荷1,7倍、電力供給量過去最大

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一般社団法人太陽光発電協会(東京都港区新橋2-12-17 代表理事:川村 誠氏)は5月20日、平成22年度(平成21年4月~22年3月)の太陽電池セル・モジュールの出荷統計を発表しました。セルとは太陽電池素子そのもので、モジュールはセルを配列して配線され、強化ガラスなどで保護されたものが太陽電池パネルとなって、屋根の上に取り付けられます。セル・モジュールの国内総出荷は、106万2,914kWとなり前年比で約1,7倍、年間国内出荷としては過去最大で初の100万kWとなりました。用途別では、公共・産業用が前年比264.7%と大幅に増加。東日本大震災以降、自家発電、節電対策として住宅用太陽光発電への需要も高まっています。
首都圏の東京電力管内では、電力供給不足による計画停電を経験しただけに、電気のありがたさを再認識。「自分の家は自分の電気で」と、住宅用太陽光発電装置を設置する家庭が増加しています。気になる価格は、標準的な3kWの装置で180万円~200万円で、自治体などでは初期費用を軽減し、普及を加速させるため補助に乗り出しています。東京都武蔵野市では、1kW当たりの補助額を3万円から5万へ。上限も30万円から50万円に引き上げ5月末から受付を検討とありました。
経産省「サンライズ構想」20年後、供給量15倍、原発4基分へ
大手家電量販店では、すでに住宅用太陽光発電装置の販売は行っており、夏の電力簿即による需要の高さから売り場は拡大傾向にあるようです。3kWの発電装置であれば、一般家庭の約半分の電力を賄う事ができ、余剰電力の買取り制度を利用すれば10年~12年でイニシャルコストが消却されるようです。各家庭の屋根にソーラーパネルが設置され、普及がすすめば夏の節電対策に効果が期待できそうです。
経済産業省は、平成42年までに太陽光発電の供給量を15倍に増やし、火力発電並みにすると言う「サンライズ構想」をまとめました。政府は福島第1原発事故を受け、エネルギー政策を白紙に戻しており、太陽光発電の普及に関して同計画をもとに議論するとしています。平成21年末の262万7,000kWの容量を20年後には15倍の約4,000万kW、原発約4基分に当たる電力を供給するとしています。Co2削減で安全、クリーンなエネルギー普及に新たな政策が欲しいところです。
積極的な自治体の実証実験支援。電機大手はハワイではスマートグリッド実験
太陽光発電の普及は各地で構想が練られており、神奈川県では通信大手ソフトバンクや他の自治体と連携し、大規模なメガソーラー(太陽光発電所)建設を計画。山梨県では、NEDO(産業技術総合開発機構)が5年間、実証研究を続けてきた装置一式を北杜市に一括譲渡。一般家庭570軒分の電力を賄え、余剰電力は電力小売会社に販売しているとして、同システムを視察に昨年5,000名が訪れました。
ホンダはEV(電気自動車)と太陽光発電システムを組み合わせ、省エネ・排ガス抑制を両立させる実証実験を5月23日からさいたま市と共同で行います。余剰電力をEVに蓄え、夜間に再利用するなど早期の実用化を目指します。米ハワイでは、日立製作所や、シャープなど6社が5月17日、スマートグリッドの実証実験を始めると発表しました。ハワイの電力供給は化石燃料に依存した火力発電が大半で、太陽光や風力を使用したクリーンエネルギー発電への期待は大きく、再生可能エネルギーを利用できる仕組みを整えるとしています。
すでにスマートメーター世界シェア3割、さらに拡大へ
東芝は5月16日、スマートグリッドに不可欠なスマートメーター(通信機能付き電力量計)製造大手、スイスのランディス・ギアをM&Aの方向で買収交渉し、優先交渉権を取得と報道がありました。買収額は2,000億円と見られ、次世代の国富を担う産業を創出するために投資活動を行っている官民ファンド・産業革新機構も出資の見通しとありました。スマートメーターは家庭や工場などに設置され、電力消費に関する情報を通信回路を通じリアルタイムで管理施設に送信。効率的な電力の使用が可能となるスマートグリッドの中心となる装置です。
日本のIT産業は過去、パソコンのOS(オペレーティングシステム)ではマイクロソフトが、検索エンジンではグーグルがと、情報の集まる中心部分のシェアを海外に奪われてきました。次世代の送電網であるスマートグリッドの情報が集まるスマートメーターでは、世界シェア3割のランディス・ギア買収で、普及、構想のスピードを早めたいところです。
エネルギー問題は世界の支配権の縮図です。政府は東北復興にコンパクト・エコタウン構想などが議論され、クリーエネルギー普及のスピードが一気に加速しています。新しいインフラ整備で新しい雇用を創出。東北復興とともにスマートグリッド関連産業の波及効果で、支配されたエネルギーからの脱却を図り、日本復活を加速させたいものです。
[2011.5.26]

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