堺屋太一氏:「日本独自の技術は必ず世界に通じる」

円高、株安、失業率増加
このところ企業の海外シフトを推進して新しい市場で事業をといった政府の方針を目にします。ところがどの企業もスムースに移転が行えるというわけではありません。例え移転したとしても文化や言葉、法律までもが異なるわけですから事業が成功するともいえないでしょう。中小企業にとっては実行できること、顧客ニーズを的確に読み取ることが大切になってきます。

顧客ニーズは偶然から
新聞記事に、新潟市燕市でザルの製造販売をする中小企業を紹介していました。茹で上がったうどんの湯を切る軽量のザルを発売したとのことです。業務用厨100813_1.jpg房用品の展示会で讃岐うどん店の店主が「網が重くて腕がしんどい」ともらすのを偶然聞いて開発したとのこと。顧客が求めているニーズを的確に商品に反映させたのです。

製造者ブランドの時代
燕市には業務用厨房用品を扱う中小企業が多く集まり、自社ブランド製品を製造し卸業者を通じ、飲食店へ販売しています。そのため顧客のニーズが製造メーカーにまで届きませんでした。展示会に出品したい、顧客ニーズを聞き出したいと思っても1社ではコストがかかります。それならばと燕市の業務用厨房用品メーカー数社が集まって「燕」ブランドとして産業展に出展、他社メーカーのニーズも聞くことができるまでになったのです。8月東京ビッグサイトで開催された「居酒屋産業展」にも「燕共同体」は出展、外食市場の伸びが期待できる国外・アジアへも販路を広げていただきたいものです。

上海万博での京都商工会議所
上海で開催されている「上海万博」では、10月から京都商工会議所を中心に構成する「上海万博京都ウィーク実行委員会」が、村田製作所、オムロンなどを展示するコー100813_2.jpgナーを「日本館」の特設会場に設け、来場者に技術力をアピールし中国でのシェア拡大につなげようとしています。

1台90万円のトイレの雅
上海万博日本館これより先に日本館のトイレには1台約90万円のINAXのトイレをが設置されており、技術はもとより日本の美意識をアピールしています。

パリ・ダカラリーでエコ!バイオ燃料
ダカールラリー(パリダカ)市販車部門で5連覇を成し遂げたトヨタ車体(愛知県刈谷市)は、2011年1月ラリーで走るディーゼルエンジン車2台の燃料を植物などから精製したバイオディーゼル燃料を使うことを決めました。

円高で企業買収、海外での動きは?
シャープが米国の太陽光発電会社を買収すると発表がありました。カナダ・米国に太陽光発電所を持つカレント・エネルギー社で、詳しい買収目的や買収内容はこれから報道があるでしょう。国内では円高の危機が叫ばれています。反対に高い円を生かして海外企業の買収などフレキシブルに対応している企業もあるのです。

追い抜かれた日本は本当?
中国や韓国、台湾の技術が日本に追いついたといわれるなか、「かゆいところに手が届く技術」はまだまだ独自のものです。上海万博「日本館」の堺屋太一代表の「日本独自の技術は必ず世界に通じる」と豪語しています。日本ならではの現場主義、いとわない改善、美意識と合体した技術を引っさげて、完成度の高さを世界にアピールしましょう。時代にマッチした英知が閉塞感を打破します。

[2010.9.23]

 

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