農産物ブランド化、輸出でTPP平成の開国、農業改革発展へ
TPP参加:輸出製造業は大歓迎、農業は壊滅の危機
すべての輸入物品関税を原則撤廃するTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋連携協定)は11月9日、関係国との協議開始が閣議決定されました。政府が進める「平成の開国」に製造業などの輸出関連は歓迎一色。一方、関税に守られてきた農業は大打撃、日本の農業が壊滅すると明暗がハッキリと分かれた発表となりました。鹿野農水相は11日、TPPに関して「アジア太平洋の経済連携にはTPP以外の選択肢もある」と強調、その上で戸別所得保証の充実、農業の第6次産業化など自由貿易に対応した農業改革をこれからの柱にするとコメントしました。
10月1日、菅首相の「TPP参加検討」の発表からあらゆる方面の論議が行われてきましたが、横浜APEC(Asia Pacific Economic Cooperation:アジア太平洋経済協力)は無事終了、TPP締結へ向けて交渉が本格化していくでしょう。
政府支援で第6次産業や輸出の道
農水産物の生産に、加工や消費者への小売りを融合させた第6次産業からの生産物は、即、受け入れられるものが多く、スーパーや量販店にも流通を拡大できます。農水産物のブランドイメージを加えたり、付加価値をプラスして新たな市場への取組みも今後増えていくでしょう。
農林水産省で農業関係者に向け戸別所得保証の早期支払いや、セーフティネット資金などで協力しています。農業にとってはまさしく平成の改革です。これからは付加価値をつけ生産地ごとに差別化し、第6次産業への移行やブランド化で輸出に生き残りをかけ、政府の経済支援、金融支援のもと改革に向け発展を遂げてもらいたいものです。
世界も認めたハイテク安全農林水産物
平成21年度、JETRO(ジェトロ:日本貿易振興機構)の「不況下における日本産農林水産物の輸出と海外市場の動向」によると日本産農林水産物の輸出は前年比12.6%減の4,376億円となっています。世界市場が約100兆円といわれるなか、わずか4.4%に過ぎないのです。日本産農林水産物は世界市場では高すぎて、政府も輸出しようとする考えがありませんでした。これからは成長の著しい中国など新興国が新しい市場になるでしょう。中国では日本産の農産物は安全で信頼できるとされ、富裕層を中心にファンがいるのです。日本国内でも食品は価格よりも国産にこだわる人が多いのです。TPP加盟参加でも農業はむしろ輸出に向けてのチャンスです。日本はハイテク技術で安全で品質の高い農林水産物が生産でき、それは海外でも十分通用するのですから。
輸入頼りで第二のレア・アースになる?
尖閣諸島問題から端を発した中国のレア・アース規制で、世界中の需要国に危機を与えたのは、世界生産9割以上の中国に頼った結果です。農林水産物も輸入だけに頼れば供給不安定、値上げなどレア・アースの二の舞にもなりかねません。
過去、日米貿易摩擦で米国への日本の輸出車に対抗して米国から牛肉やオレンジが大量に輸入されました。国内生産者は和牛など生産地ブランド化によって流通し生き残っています。なんと今では豚や鶏にもブランド名がつくようになりました。このように流通が変化しても日本の畜産業は工夫と叡智で押し寄せる輸入品に対抗する事ができたのです。
輸入食品の毒物混入事件などの反応を見ても、日本国内の食の安全に対する意識は非常に高いものです。価格が安いからとすぐに飛びつくような消費者ではありません。TPP加盟参加が農業の改革で、工業製品に次ぐ輸出品目になって、外貨獲得のキッカケだったと振り返れるようになりたいものです。
[2010.11.15]
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