外食産業:業態切り替えが発展のポイントか?/リンガーハット、居酒屋進出
業態切り替え成功なるか?リンガーハット
「長崎ちゃんぽん」でおなじみのリンガーハット(福岡本社:福岡市博多区、東京本社:大田区大森北、代表取締役会長兼社長:米濵和英氏)は、12月17日に “居酒屋業態”の店舗を展開すると発表し、12月23日にオープンさせました。
もともと、従来メニューにもある餃子をつまみながらビールを飲み、最後は長崎ちゃんぽんでシメる、という利用客は少なからずいたかと思いますが、居酒屋風のメニューと内装での展開はこれまでになかった挑戦とのこと。リンガーハットは以前からビジネス情報番組などでその裏側を取材されることの多い企業です。独自に開発した業務マシンなど、オリジナリティ溢れるスタイルが注目されてきましたが、この新たな居酒屋進出の試みでさらに話題を呼んでいます。
JR蒲田東口店をモデルケースに
居酒屋リンガーハットの第1号店となったのは東京都大田区の「リンガーハットJR蒲田店」。既存の店舗を居酒屋風に改装し、オープンを迎えました。駅前や繁華街のビル内にある店舗は1~2名での来店者が多いため、それを踏まえて店内は1名用のカウンター席と2名用席を中心に構成。主力であるちゃんぽんや皿うどんなどのメニューに加え、唐揚げや揚げ餃子など16種類のおつまみと、ハイボールや「こだわりの贅沢果汁サワー」などのアルコール類を充実させています。リンガーハットは、このJR蒲田東口店をモデルケースとし、駅前や繁華街のビルイン店舗を中心にサービス拡大を検討していくとしています。
外食動向:前年比102.7%と4ヶ月連続で上回る
社団法人日本フードサービス協会(港区浜松町1-29-6浜松町セントラルビル6F 会長:佐竹力總氏)の調査によると、外食市場の動向は今年の夏から回復の傾向にある様子。11月25日発表の平成22年(2010)10月市場動向調査によると、10月度の売上状況は、全業態トータルで前年比102.7%と4ヶ月連続で前年を上回るなど、好調に推移しています。
ところが、業態別に見ると、ファーストフードやファミリーレストランなど、ファミリー客の多い業態は客数、売上共に前年を上回っているものの、パブ・居酒屋業態は前年並みに止まっています。家計の状態が回復しても、お父さん方のお小遣いアップにまでは至っていないということでしょうか。すでにファミリー客には定評の高いリンガーハットが、回復の流れに乗り遅れているこの業態の起爆剤となるかもしれません。
餃子の王将・日高屋:セントラルキッチンの徹底
ビールと餃子+αで成功しているチェーン店のビジネスモデルといえば、「餃子の王将」(本社:京都市山科区西野山射庭ノ上町294番地の1 代表取締役社長:大東隆行氏)や「日高屋」(株式会社ハイデイ日高 埼玉県さいたま市大宮区大門町 3-105 やすなビル6F 代表取締役 取締役社長:高橋均氏)が挙げられます。いずれも、リーズナブルな価格帯で「ちょいと一杯」を実現できるとあって、不況が叫ばれ家計から外食費用が大幅に削られていた状況下にあっても、確実にファンと収益を増やしてきました。
セントラルキッチン方式を徹底することで「うまい中華そば390円」の看板を掲げ、大衆中華の代名詞となった日高屋。それに対して、店舗ごとにオリジナルメニューや食べ放題キャンペーンを展開するなど、自由度の高さを強みとしている王将。居酒屋リンガーハットがその2大巨頭にどのように対抗していくのか?そして私たち庶民の憩いの場、ファミリー居酒屋に活況は戻るのか?今後も注目です。
フード業界の動向が不況脱出の鍵?
リンガーハットを始め、日高屋・餃子の王将と手軽な居酒屋の業態が増えてきました。カラオケフード、牛丼、ファミリー居酒屋、と日本型ファーストフードが席巻してきています。背景には価格、手軽さ、安心メニューといった画一化された商品にあるようです。昭和の時代から不安定な社会情勢や長引く不況、景気の曲がり角のたびに、新しい形のフードサービス業態が出現して世相を表わして来ました。データや根拠よりも庶民の胃袋を満足させることが不況脱出の鍵かもしれません。工夫を重ねているフード業界のたくましさに明るい兆しを感じます。
[2010.12,28]
記事一覧
◆二十四節気◆令和8年(2026)10月23日「霜降(そうこう)」です。◆
季節のお便り
2026 / 10 / 1910年で企業倒産はどう変わったか――増える小規模企業の倒産
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 10 / 07◆二十四節気◆令和8年(2026)10月8日「寒露(かんろ)」です。◆
季節のお便り
2026 / 10 / 04日銀はなぜ今、利上げするのか―物価を抑えて、成長まで抑えてよいのか
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 09 / 19◆二十四節気◆令和8年(2026)9月23日「秋分(しゅうぶん)」です。◆
季節のお便り
2026 / 09 / 18最低賃金1,177円時代へ――「賃上げできない会社」がこれから直面すること
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 09 / 08◆二十四節気◆令和8年(2026)9月7日「白露(はくろ)」です。◆
季節のお便り
2026 / 09 / 01人手不足国家・日本は外国人材で救われるのか?――2027年「育成就労制度」で変わる中小企業の採用
八木宏之の経済時事ウォッチ 未分類
2026 / 08 / 24◆二十四節気◆令和8年(2026)8月23日「処暑(しょしょ)」です。◆
季節のお便り 未分類
2026 / 08 / 18日銀はなぜ利上げを急ぐのか
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 08 / 14◆二十四節気◆令和8年(2026)8月7日「立秋(りっしゅう)」です。◆
季節のお便り
2026 / 08 / 03骨太の方針2026を読み解く
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 08 / 02◆二十四節気◆令和8年(2026)7月23日「大暑(たいしょ)」です。◆
季節のお便り
2026 / 07 / 21日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(後編)
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 07 / 17日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(前編)
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 07 / 06◆二十四節気◆令和8年(2026)7月7日「小暑(しょうしょ)」です。◆
季節のお便り
2026 / 06 / 30◆二十四節気◆令和8年(2026)6月21日「夏至(げし)」です。◆
季節のお便り
2026 / 06 / 19日銀はインフレの原因を見誤っているのではないか
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 06 / 172026年上半期の日本経済を総点検
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 06 / 09◆二十四節気◆令和8年(2026)6月6日「芒種(ぼうしゅ)」です◆
季節のお便り
2026 / 06 / 03「関税ショック」後の中小企業サバイバル戦略
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 05 / 292026年「骨太の方針」はなぜ重要なのか ― 中小企業経営者が知るべき“国家の方向性”と与党内のせめぎ合い
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 05 / 21◆二十四節気◆令和8年(2026)5月21日「小満(しょうまん)」です。◆
季節のお便り
2026 / 05 / 19大胆な投資促進税制とは何か
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 05 / 07◆二十四節気◆令和8年(2026)5月5日「立夏(りっか)」です。◆
季節のお便り
2026 / 05 / 02日銀「金融政策決定会合」から読み解く日本経済
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 04 / 29◆二十四節気◆令和8年(2026)4月20日「穀雨(こくう)」です。◆
季節のお便り
2026 / 04 / 17値上げは悪いこと?物価高時代に企業が取るべき経営戦略
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 04 / 17◆二十四節気◆令和8年(2026)4月5日「清明(せいめい)」です。◆
季節のお便り
2026 / 04 / 02日本企業に起きている「静かな淘汰」
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 03 / 31金融政策決定会合(3月)-中小企業経営者が知っておくべき金融環境の変化-
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 03 / 23◆二十四節気◆令和8年(2026)3月20日「春分(しゅんぶん)」です。◆
季節のお便り
2026 / 03 / 16エネルギー価格上昇に中小企業はどう対応するか
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 03 / 12◆二十四節気◆令和8年(2026)3月5日「啓蟄(けいちつ)」です。◆
季節のお便り
2026 / 03 / 02第二次高市内閣で日本の産業政策はどう変わるのか
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 02 / 26◆二十四節気◆令和8年(2026)2月19日「雨水(うすい)」です。◆
季節のお便り
2026 / 02 / 16【衆議院選挙後】新政権と金利上昇をどう読むか
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 02 / 09◆二十四節気◆令和8年(2026)2月4日「立春(りっしゅん)」です。◆
季節のお便り
2026 / 02 / 01消費税減税は実現するのか
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 01 / 31日銀金融政策の転換期をどう読むか
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 01 / 25◆二十四節気◆令和8年(2026)1月20日「大寒(だいかん)」です。◆
季節のお便り
2026 / 01 / 172026年度予算――規模・評価軸・企業経営への示唆
八木宏之の経済時事ウォッチ
2026 / 01 / 03◆二十四節気◆令和8年(2026)1月5日「小寒(しょうかん)」です。◆
季節のお便り
2026 / 01 / 02日銀・金融政策決定会合(12月) 利上げの背景と今後の政策運営
八木宏之の経済時事ウォッチ
2025 / 12 / 21◆二十四節気◆令和7年(2025)12月22日「冬至(とうじ)」です。◆
季節のお便り
2025 / 12 / 17取引適正化推進法(旧:下請法)とは?
八木宏之の経済時事ウォッチ
2025 / 12 / 10◆二十四節気◆令和7年(2025)12月7日「大雪(たいせつ)」です。◆
季節のお便り
2025 / 12 / 03外国人のビザ要件強化の背景とその影響
八木宏之の経済時事ウォッチ
2025 / 11 / 30高市政権×21兆円補正予算:中小企業に訪れる“追い風”
八木宏之の経済時事ウォッチ
2025 / 11 / 24◆二十四節気◆令和7年(2025)11月22日「小雪(しょうせつ)」です。◆
季節のお便り
2025 / 11 / 16