成田発着枠増で日航LCCに参入!価格志向とプレミアム指向との差別化で共存

国際航空運送協会:アジア航空市場10億人規模

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オーストアリア航空大手のカンタスグループは8月16日、成長著しいアジア市場での事業拡大を狙い、日本航空、三菱商事と合併でLCC(格安航空会社)、ジェットスター・ジャパンを設立すると発表しました。カンタスは既にLCCのジェットスター航空を設立しており、日本へも関西空港へ4年前から参入しています。
国際線を運行する航空・旅行業界の団体・IATA(International Air Transport Association:国際航空運送協会)では、アジア市場において航空旅客数が平成26年までに3億6,000万人増加し、10億人規模になると予測しています。ここ数年でアジア路線を中心にLCCが設立され、ANAも来年、LCC新会社の設立が発表されています。オーストラリア大手の参入でアジア市場の競争激化が予想されます。
成田発着枠増、22万から30万回
再建中の日本航空がLCC参入を決断したのは、国内外の不採算路線の整理による収益の回復や成田空港の発着枠が現在の年間22万回から平成26年度中に30万回に拡大されること、またLCC専用ターミナルの建設計画などの事業環境が整備されることが背景に伺えます。急成長を遂げるアジア新興国では、中級クラス層のニーズ拡大でLCCが多く利用されており、成田空港発着枠の拡大はアジアの「ヒモ・モノ・カネ」の流れを拡大させるでしょう。
カンタスはこれまでアジア進出より欧州路線を充実させてきましたが、新たに参入する中東の航空会社に圧迫されてきました。世界の平均以上の経済成長を遂げるアジア市場にシンガポール航空やタイ航空がLCC設立計画を発表しており、ますます競争が激化してゆく様相です。
香港LCC・オアシス香港航空やビバ・マカオ、業績不振で営業停止
LCCの魅力は運賃ですが、各社ともコスト削減を徹底しており、ジェットスター航空でも予約システムなど、コストのかかるカンタスのものは使用せず、独自システムを利用しています。賑やかなLCCですが、事業は厳しく、数年前にはオアシス香港航空やビバ・マカオなど資本不足や価格競争、燃料高騰を理由に営業停止に追い込まれました。
ジェットスター・ジャパンは平成24年中に就航し、同一路線で就航するLCCよりも運賃を安くする「最低価格保証」を設けるとしています。日本は世界一高い空港発着料に人件費と格安運賃に向けた取組みが就航までに検討されますが、日本において収益の得られるLCCとなるかが焦点です。
カンタス300ドル独占路線に英アトランティックが99ドルで参入
LCCは、同一路線を親会社と一緒に就航となれば、顧客の取り合いでともに収益悪化の懸念があります。カンタスは過去、日本の空同様、オーストラリア国内を独占状態でドル箱のシドニー・メルボルン間を300ドルで就航。殿様商売を続けましたが、ここへ英ヴァージン・アトランティックの子会社が同路線を99ドルで参入。カンタスは価格競争からジェットスターを設立し対抗し、結果としてカンタス、ジェットスターともに収益を上げ、平成22時点で国内シェア65%を維持しています。LCCへの価格志向の新しい顧客層の取り込みや、カンタスの専用ラウンジやマイレージポイント、機内サービスなどのプレミアム指向の顧客満足度が成功に導いたようです。
いずれにせよ、我々利用者にとってLCCは大歓迎。日本航空、ジェットスター・ジャパン両者は、明確な差別化戦略で我が国とアジア諸国の足として定着してほしいと思います。
[2011.8.20]

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