本当に景気回復傾向なのか?日銀の勘違い
4,625億円を1,342件、平均3億6千万円の融資
報道によると、日銀は9月6~7日に開く金融政策決定会合で景気の先行きについて「回復傾向をたどる」という従来のシナリオを維持する公算が大きくなったと報じました。平成22年4月~6月にかけて電機、自動車産業がけん引役となって大企業を引っ張り第1四半期に好成績を収めた企業が多かったことが背景にあります。
日銀は9月1日には第1四半期に初回融資をおこなった概要を発表。初回融資は、47の金融機関が成長分野企業に対して4、625億円を1,342件へ投融資が行われたとしています。1件の平均額は3億6,000万円です。
政府、日銀の恩恵?
この数字を見て中小企業の経営者は「少ない件数だ」「1社になんでそんな大金を」と思われたでしょう。日本には591万1,038の事業所(総務省統計局平成18年資料:農林漁業含まず)があり、そのわずか0.02%にだけ融資をしたことになります。あまりに限られた数ではないでしょうか。この1,342件の内、中小企業は含まれず大企業がすべてを占めているというのが実体なのです。
政府の経済対策である「雇用確保へ中小企業に金融支援」はどこに表れているのでしょうか。大企業は日銀の融資や政府の消費意欲促進支援のエコ制度など十分に恩恵を受け、第1四半期を好成績に終えたのです。
またしても大企業へ融資なのか
また、環境省と金融機関25社は、「エコな企業に優先投融資を」と、環境に配慮する企業へ投融資を優先的に行うとしており、CO2や廃棄物の排出量、省エネ化・環境技術開発にどの程度力を注いでいるか基準をつくろうとしています。環境への配慮は大切ですが今の中小企業に環境を配慮する力があるのでしょうか。生き残りをかけ事業を模索し、悪化した資金繰りを正常化させることで手一杯なはずです。
資金をかけて環境対策行うことは大切ですが、「環境・エコ」を利用した比較的大企業向けの優遇処置という側面が見え隠れしています。「環境・エコ」など環境対策基準を検討するのなら関連する中小企業へも恩恵が被れる基準をつくってもらいたいものです。いつも蚊帳の外ではどんな経済対策だと発表されても「また掛け声ばかりか・・・」すぐには喜べなくなります。
[2010.9.2]
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