埋葬ニーズも多様化「自然に還りたい」~注目高まる「樹木葬」/都立霊園では異例の競争倍率16.3倍!

冠婚葬祭:多様化する人生イベント
古来、日本の冠婚葬祭といえば、神社や仏閣を拠点として執り行われるものが主でありました。ところが昨今は、人々の嗜好やライフスタイルの変化に伴い、それらのイベントも多様化しています。
結婚式を例に挙げても、一昔前までは神社や教会で神に愛を誓うのが一般的でしたが、いまはレストランウェディングや船上結婚式など、様々な場所で行われるほか、特定の宗教とは関係のない「人前式」が広まっています。また、一時「ジミ婚」という言葉が流行したように、結婚式を挙げることにこだわらないカップルも増えている模様。「記念に写真だけ撮っておく」というスタイルは「フォトウェディング」と呼ぶそうです。
埋葬のニーズも様々/注目高まる「樹木葬」

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葬儀についても、生前葬や音楽葬など、宗教的な様式から開放されたスタイルが増えつつあります。現代の日本の一般的な葬送手段は火葬ですが、火葬された遺骨の処理方法についても海上散骨や宇宙葬など、様々なニーズが生まれています。
最近、耳にする機会が増えているのは「樹木葬」という言葉。遺骨の埋葬の際、墓石ではなく樹木を墓標として建てる方法とのことです。「死後は土(自然)に還りたい」という要望に対応するため、民間の霊園を中心に広まってきました。
小平霊園に樹木墓地新設/都立では初
また、東京都は今年5月、小平霊園(東村山市)に、都立霊園としては初めて樹林墓地を整備しました。芝生が敷き詰められた広さ800平方メートル余りの敷地にはコブシやツバキなどの落葉樹が植えられ、その樹木の下に遺骨を共同で埋葬します。地下には遺骨を埋葬するための直径1.5m、深さ2.1m余りの筒状の施設が27か所に設けられています。 利用料は1人約13万円で、管理料はありません。 
「自然に還る」のも狭き門/公営墓地では異例の16.3倍!
この小平霊園内の樹木墓地は1万700体分が新設されていますが、7月に500体分を募集。8月23日、都庁にて第1回目となる公開抽選が行われました。
この500の枠に対して、なんと8,169体分もの応募があったとのこと。倍率は16,3倍、夫婦を中心とする2人1組の生前応募分は31.1倍にも達し、合同墓地では近年にない高倍率です。
都立霊園の公募は年1回ですが、予想を大きく上回る反響に、来年度は募集数を増やすことも検討されています。
死んでもつきまとう不動産問題?
共同の樹木墓地の設立には、日本の人口が減り続ける一方、お墓は増え、都市部では用地が足りなくなりつつあるという背景もあるでしょう。また、多数の応募者のなかには「自然に還る」という要望だけでなく、少子化や核家族化により「墓の面倒を誰が見るか」という不安を抱える人も多くいることと思います。これらのニーズのマッチングにより、近い将来、樹木葬がスタンダードとなる日も来るかもしれません。
旧盆が過ぎ、お墓参りをしたばかりのこの時期は、こういった話題を自分の問題として考えるまたとない機会となりそうです。
[2012.8.30]

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