グローバル化進むビール業界/キリン2000億円かけて南米進出、サッポロは洋酒拡大戦略

キリンHD:ビール消費量世界第3位のブラジルへ進出!

110809_3.jpg

8月2日、キリンホールディングス株式会社(東京都中央区新川2−10−1/代表取締役社長:三宅占二氏)がブラジルの大手飲料メーカーであるスキンカリオールグループ(CEO:アドリアーノ・スキンカリオール氏)を子会社化したと発表しました。
中国、米国に次いで世界3位のビール消費国であるブラジルにおいて、スキンカリオールはビール売上シェア15%で第2位に位置しています。平成22年のビール消費量が1,257万キロリットルと、日本のおよそ2倍の市場をキリンは獲得したことになります。
のれん代はおよそ2,000億円、有利子負債増加、市場確保優先
今回のM&Aにキリンが投じた金額は39億5,000万レアル(約1,988億円)。同社は手元資金と外部からの借り入れでまかなう考えで、決して安くはない「のれん代」によって、近年圧縮を進めていた有利子負債が再び膨らむことになります。
格付け会社相次いで引き下げを発表:R&I、ムーディーズ
この発表を受け同日、格付投資情報センター(R&I)はキリンHDの格付けをAA-からA+に一段階引き下げることを発表。ムーディーズ・ジャパンも同様に、格下げの方向で格付見直しを行うと発表しました。
財務効率の悪化も警戒されるなか、三宅社長は記者会見において「従来から許容範囲内と考えていた」と説明しました。現地では平成26年にサッカーW杯、平成28年にはオリンピックも開催予定。経済成長目覚しく、飲料消費も高い水準で伸びることが見込めるとして、企業成長のための必要投資と自信を見せています。
サッポロ:ラム酒の「バカルディ」提携で洋酒部門テコ入れ/売上6億を100億に
日本国内では健康志向の拡大や「若者の酒離れ」などによりアルコール販売は年々低下しています。低アルコール、ノンアルコールの飲料のヒットに対して、ビール類の市場は大幅に縮小。酒販業界各社は生き残りを賭けて方策を巡らせています。
サッポロビール株式会社(東京都渋谷区恵比寿4−20−1 代表取締役社長:寺坂史明氏)は6月に、世界3位のスピリッツメーカー「バカルディ」の日本法人:バカルディジャパン(東京都渋谷区東3−13−11 代表取締役社長:皆川昌三氏)との業務提携を発表しました。
「バカルディ」と言えば販売数世界一を誇るラム酒ですが、他にも29ブランド90種類の洋酒を展開しています。今回の提携においては国内販売のみが対象とのことですが、サッポロは、ビールやワインに比べて規模が小さい洋酒部門を強化することで総合種類メーカーとしての競争力向上を狙う模様。現在約6億円の洋酒部門売上高を、平成28年までに100億円まで引き上げるとの大きな目標を掲げています。
震災被災地、東北の蔵元:米の確保に躍起、九州米の奪い合い
大手メーカーは円高も逆手に取ってグローバル化に弾みを付けているのに対し、東北の酒造りは不安が募るばかり。地震や津波の被害に加え、福島第一原発事故の影響によるコメ出荷停止の可能性も深憂されており、地元の米と水で日本酒を仕込んでいる蔵元にとってはまさに死活問題。九州など、汚染の心配のない地方から米を取り寄せようにも、既に奪い合いの様相を見せています。
例年ならば呑気に「新米が楽しみ」と思う季節ですが、今は複雑な気分で米を噛みしめる日々です。今回の津波や地震は日時がたてば復興が可能ですが、原発被害は伝統文化にも影響しています。
[2011.8.9]

記事一覧


◆二十四節気◆令和8年(2026)10月23日「霜降(そうこう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 10 / 19

10年で企業倒産はどう変わったか――増える小規模企業の倒産

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 10 / 07

◆二十四節気◆令和8年(2026)10月8日「寒露(かんろ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 10 / 04

日銀はなぜ今、利上げするのか―物価を抑えて、成長まで抑えてよいのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 09 / 19

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月23日「秋分(しゅうぶん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 09 / 18

最低賃金1,177円時代へ――「賃上げできない会社」がこれから直面すること

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 09 / 08

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月7日「白露(はくろ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 09 / 01

人手不足国家・日本は外国人材で救われるのか?――2027年「育成就労制度」で変わる中小企業の採用

八木宏之の経済時事ウォッチ 未分類

2026 / 08 / 24

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月23日「処暑(しょしょ)」です。◆

季節のお便り 未分類

2026 / 08 / 18

日銀はなぜ利上げを急ぐのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 08 / 14

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月7日「立秋(りっしゅう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 08 / 03

骨太の方針2026を読み解く

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 08 / 02

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月23日「大暑(たいしょ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 07 / 21

日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(後編)

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 07 / 17

日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(前編)

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 07 / 06

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月7日「小暑(しょうしょ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 06 / 30

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月21日「夏至(げし)」です。◆

季節のお便り

2026 / 06 / 19

日銀はインフレの原因を見誤っているのではないか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 06 / 17

2026年上半期の日本経済を総点検

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 06 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月6日「芒種(ぼうしゅ)」です◆

季節のお便り

2026 / 06 / 03

「関税ショック」後の中小企業サバイバル戦略

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 29

2026年「骨太の方針」はなぜ重要なのか ― 中小企業経営者が知るべき“国家の方向性”と与党内のせめぎ合い

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 21

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月21日「小満(しょうまん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 05 / 19

大胆な投資促進税制とは何か

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 07

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月5日「立夏(りっか)」です。◆

季節のお便り

2026 / 05 / 02

日銀「金融政策決定会合」から読み解く日本経済

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 04 / 29

◆二十四節気◆令和8年(2026)4月20日「穀雨(こくう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 04 / 17

値上げは悪いこと?物価高時代に企業が取るべき経営戦略

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 04 / 17

◆二十四節気◆令和8年(2026)4月5日「清明(せいめい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 04 / 02

日本企業に起きている「静かな淘汰」

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 31

金融政策決定会合(3月)-中小企業経営者が知っておくべき金融環境の変化-

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 23

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月20日「春分(しゅんぶん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 03 / 16

エネルギー価格上昇に中小企業はどう対応するか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 12

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月5日「啓蟄(けいちつ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 03 / 02

第二次高市内閣で日本の産業政策はどう変わるのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 26

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月19日「雨水(うすい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 16

【衆議院選挙後】新政権と金利上昇をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月4日「立春(りっしゅん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 01

消費税減税は実現するのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 31

日銀金融政策の転換期をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 25

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月20日「大寒(だいかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 17

2026年度予算――規模・評価軸・企業経営への示唆

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 03

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月5日「小寒(しょうかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 02

日銀・金融政策決定会合(12月) 利上げの背景と今後の政策運営

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 21

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月22日「冬至(とうじ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 17

取引適正化推進法(旧:下請法)とは?

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 10

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月7日「大雪(たいせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 03

外国人のビザ要件強化の背景とその影響

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 30

高市政権×21兆円補正予算:中小企業に訪れる“追い風”

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 24

◆二十四節気◆令和7年(2025)11月22日「小雪(しょうせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 11 / 16