リチウムイオン電池開発:産官学オールジャパンでライバル企業とコラボレーション

韓国ソフトパワー日本市場来襲「KARA」「少女時代」
110122_1.jpg音楽の情報サービスを提供するオリコンが発表した、平成21年12月28日から平成22年12月20日までの「第43回オリコン年間ランキング2010」によると、総売り上げでは新人部門で韓国の女性5人組グループ「KARA]が1位を。作品別シングル売上では同女性9人組グループの「少女時代」が1、2位を独占したと発表がありました。「KARA」はシングルやアルバム、DVDなど計8枚で約13億円。「少女時代」は計9枚で約8億8,000万円を売り上げたとあります。3位に入った日本の歌手の売上は1位の約1/10と、新人市場では韓国パワーに圧倒されました。
政府では、音楽やファッションなど日本のポップカルチャーを海外へ輸出するソフトパワー産業を推進していますが、この現象は逆に韓国に国内市場を奪われてしまった結果となりました。日本の若手歌手やグループは韓国でも人気があります。政府支援で海外プロモーション活動をより精力的に行ない韓国市場に入り込みたいものです。

外向き韓国、内向き日本
自動車や電機などの産業や野球、サッカーなどスポーツに次いで、音楽産業までも日本と韓国はライバル関係になりそうです。自動車ではリーマンショック後の金融危機で、日本は米国での販売台数を落とす中、韓国の現代(ヒュンダイ)はシェアを伸ばし続け、電機では薄型テレビがシェア上位を占めていた日本のメーカーがサムスンやLGに奪われました。
日本よりも危機的な状況下にあった韓国経済がここまで成長したのは、政府、企業のマーケティングでしょう。
韓国の市場は日本より格段に小さく音楽市場では韓国は日本の1/30といわれています。韓国の産業では韓国政府支援のもと、企業を絞り込み海外市場を視野に入れて製品の研究開発、生産を行っています。日本のような内需、外需の考えがなく、輸出国での需要を捉え、需要に合った製品づくりが行われシェアを伸ばしています。
一方で日本は産業も、従業員も、そして学生や政府までもが内向きで、国外へ出ようということが一部を除いてありませんでした。その結果が今のシェアの現状なのでしょう。

リチウムイオン電池世界シェア/9割が今は4割に!
110122_2.gifEV(電気自動車)や携帯電話の心臓部ともいえるリチウムイオン電池は今後、大幅な需要が見込める産業となっています。リチウムイオン電池の世界シェアは三洋電機がトップの座を常に占めていました。平成22年、これまでトップであった三洋電機は韓国、サムスングループに追い抜かれ2位になる見通しと報道がありました。
薄型テレビや液晶パネルに続いてまたしても韓国企業にトップを奪われることになります。10年前のリチウムイオン電池の世界シェアは、日本企業は約94%を占めたものの約42%に後退。一方、韓国企業は10年前の約2%が約35%とシェアを伸ばすことになります。
リチウムイオン電池の現在の用途は、携帯電話やノートパソコンなどが主で、今後のEVの普及で需要は大幅に拡大されます。韓国政府はリチウムイオン電池を国家戦略として捉え「次世代の基幹産業」として企業を支援、後押ししています。

日本/技術革新、国家プロジェクトでシェア奪還
中国では電気自動車の普及が国策となって、バスやタクシーなど公共機関に補助金を出し普及を急いでいるようです。巨大市場だけに世界の自動車メーカーの競争は過熱、リチウムイオン電池のシェア争いもさらに激化するでしょう。
先日の報道番組で日本でのリチウムイオン電池開発の特集がありました。トヨタやホンダなど企業の技術者や、大学の研究者、専門家などが政府の支援によってリチウムイオン電池の充電量を2倍にする研究開発を行っています。ライバル会社ではあるものの「一メーカーだけでは世界に勝てない」と、メーカーよりもまずは日本を第一に世界へ目を向けています。この研究開発は産官学一体となった国家プロジェクトで、これ以上韓国には負けていられないという日本の技術の威信がかかっています。
EVは走行距離の短さが問題視されましたが、長い距離が走れるリチウムイオン電池の開発、生産でより長い距離が走れるエコカーが発売される日も遠くはないでしょう。韓国ではすでにLGがリチウムイオン電池の工場建設を始め、安さを武器に世界市場を狙っています。日本も経済産業省が国内工場建設に1,100億円の補助金が用意されました。新しい工場で雇用を生み出し、大量生産でコストを抑え、長い距離を走れる日本のリチウムイオン電池、エコカーに産業発展、中小企業への波及効果が期待できます。

●関連記事:オフィシャルサイト「成長戦略ソフトパワー産業の海外展開」

[2011.1.22]

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