次世代送電網・スマートグリッド/JSCA:新事業に参入を目指し加盟500社!

厳冬に電力需要、過去最高「発受電速報」

110217_1.jpg

電気事業連合会(東京都千代田区大手町1−3−2 会長:清水正孝)が2月14日に発表した「平成23年1月の発受電速報」によると、今年1月の初受電電力量は、前年に比べ気温が低めだったことから暖房需要が増え、さらに産業用需要も堅調に推移したことで電力10社で922億8、000万kWh(キロワット時)となり、前年同月比で5.8%増で過去最高だと言います。日本海側を中心とした豪雪や、太平洋側でも今月、大雪注意報が出るなど今年の冬は寒さが厳しく、暖房による電力需要が増えているようです。

全国30ケ所にメガソーラー発電所
現在、電気は主に水力、火力、原子力発電に頼っていますが同連合会では、地球環境政策の検討やグリーンイノベーションによる二酸化炭素の少ない低炭素化社会への動きが昨年以上に加速するとしています。平成32年までに全国30ケ所にメガソーラー発電所建設の計画に向け、昨年は関西電力や沖縄電力など4プロジェクト1.2万kWの発電もスタート。太陽光発電の出力変動などのデータをとりつつ、最先端のシステムの開発に繋げるとしています。
JSCA:新事業に参入を目指し加盟500社
電気は蓄えることのできないエネルギー。この電気を「必要なときに必要な場所へ、必要な量だけを供給」する仕組みをつくれば無駄がなくなるものです。このような理想の送電ネットワークを構築するのがスマートグリッドの発想です。新しい送電インフラは、情報通信技術によって家庭、事業所は、受電のみであった電力を太陽光発電など電気を蓄え、送電に変ることも次世代には起きます。水力、火力、原子力など余分な電気をつくり出し供給する必要もなくなります。次世代の新しい送電網は、新エネルギー産業として政府の新成長戦略にも掲げられています。
NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が事務局となっているJSCA(Japan Smart Community Alliance:スマートコミュニティ・アライアンス)には、この新しい事業に参入を目指し、加盟社数も500社を超えているようです。
次世代送電網、世界100兆円産業
今後のスマートグリッドの市場規模は日米欧で100兆円を超えると言われていますが、海外から日本を見ると「日本の送電網はもうスマートになっている」と言われるようです。日本の電力はほぼ電力会社が主導を握り、企業が参入して電力を調整することはできません。電力源から送電線を伝わり家庭や事業所、工場へ電気が供給され、確かに上流部分はすでにスマートと言えるでしょう。企業が参入できるのはむしろ下流で、家庭や事業所、工場などでの太陽光発電装置や、電気を蓄える蓄電池装置。電気量をコントロールする情報通信やメーターなどHEMS(Home Energy Management System)となるでしょう。JSCAへ加盟した企業を見ても、大企業はもちろん、関連の中小企業も多く名を連ねています。
110217_2.jpg
原子力発電、太陽光発電などのシステムで日本は世界のトップレベルにあります。上流の大掛かりな事業は国や大企業に任せ、下流の家庭、事業所、工場などの部分で中小企業は勝負したいところです。
平成32年目標/10年で10兆円規模に
NEDOは2月8日、米ハワイ州マウイ島で日米共同で行う離島型スマートグリッド実証事業の概要を発表しました。事業は平成23年7月から26年まで行われ、事業費は30億円と言います。風力、太陽光発電を大量に導入。つくり出された電力は天気によって発電量が上下するため、充放電する蓄電池にEV(電気自動車)も200台導入予定となっています。離島では、電力のセキュリティや高いコストなど課題があり、他地域以上にスマートグリッドの導入が求められています。NEDOでは、「ハワイにおける日米共同世界最先端の離島型スマートグリッド実証事業」に関わる事業者を同日から3月17日まで募ります。
スマートグリッドは太陽光や風力、中小水力、地熱などを自然エネルギーを利用し地球環境政策にも貢献します。政府では、平成32年までに国内の再生可能エネルギー関連市場を10兆円規模としています。大規模市場とはいえ、家庭や、事業所など中小企業が参入する余地も十分にあります。産業変革の年、政府支援のもと新たな事業への挑戦で、空洞化が進む国内市場を活性化したいものです。
[2011.2.17]

記事一覧


日銀はなぜ今、利上げするのか―物価を抑えて、成長まで抑えてよいのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 09 / 19

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月23日「秋分(しゅうぶん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 09 / 18

最低賃金1,177円時代へ――「賃上げできない会社」がこれから直面すること

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 09 / 08

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月7日「白露(はくろ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 09 / 01

人手不足国家・日本は外国人材で救われるのか?――2027年「育成就労制度」で変わる中小企業の採用

八木宏之の経済時事ウォッチ 未分類

2026 / 08 / 24

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月23日「処暑(しょしょ)」です。◆

季節のお便り 未分類

2026 / 08 / 18

日銀はなぜ利上げを急ぐのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 08 / 14

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月7日「立秋(りっしゅう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 08 / 03

骨太の方針2026を読み解く

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 08 / 02

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月23日「大暑(たいしょ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 07 / 21

日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(後編)

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 07 / 17

日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(前編)

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 07 / 06

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月7日「小暑(しょうしょ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 06 / 30

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月21日「夏至(げし)」です。◆

季節のお便り

2026 / 06 / 19

日銀はインフレの原因を見誤っているのではないか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 06 / 17

2026年上半期の日本経済を総点検

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 06 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月6日「芒種(ぼうしゅ)」です◆

季節のお便り

2026 / 06 / 03

「関税ショック」後の中小企業サバイバル戦略

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 29

2026年「骨太の方針」はなぜ重要なのか ― 中小企業経営者が知るべき“国家の方向性”と与党内のせめぎ合い

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 21

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月21日「小満(しょうまん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 05 / 19

大胆な投資促進税制とは何か

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 07

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月5日「立夏(りっか)」です。◆

季節のお便り

2026 / 05 / 02

日銀「金融政策決定会合」から読み解く日本経済

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 04 / 29

◆二十四節気◆令和8年(2026)4月20日「穀雨(こくう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 04 / 17

値上げは悪いこと?物価高時代に企業が取るべき経営戦略

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 04 / 17

◆二十四節気◆令和8年(2026)4月5日「清明(せいめい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 04 / 02

日本企業に起きている「静かな淘汰」

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 31

金融政策決定会合(3月)-中小企業経営者が知っておくべき金融環境の変化-

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 23

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月20日「春分(しゅんぶん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 03 / 16

エネルギー価格上昇に中小企業はどう対応するか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 12

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月5日「啓蟄(けいちつ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 03 / 02

第二次高市内閣で日本の産業政策はどう変わるのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 26

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月19日「雨水(うすい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 16

【衆議院選挙後】新政権と金利上昇をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月4日「立春(りっしゅん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 01

消費税減税は実現するのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 31

日銀金融政策の転換期をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 25

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月20日「大寒(だいかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 17

2026年度予算――規模・評価軸・企業経営への示唆

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 03

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月5日「小寒(しょうかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 02

日銀・金融政策決定会合(12月) 利上げの背景と今後の政策運営

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 21

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月22日「冬至(とうじ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 17

取引適正化推進法(旧:下請法)とは?

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 10

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月7日「大雪(たいせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 03

外国人のビザ要件強化の背景とその影響

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 30

高市政権×21兆円補正予算:中小企業に訪れる“追い風”

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 24

◆二十四節気◆令和7年(2025)11月22日「小雪(しょうせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 11 / 16

ガソリン税ついに廃止!軽油も2026年にゼロへ

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 10

◆二十四節気◆令和7年(2025)11月7日「立冬(りっとう)」です。◆

季節のお便り

2025 / 11 / 04

どう変わる?日銀の10月会合に見る金融政策の行方

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 10 / 31