平成27(2015)年度国際収支状況:貿易収支5年ぶりに黒字、17兆9752億円の黒字(財務省)

前年度比2倍超の大幅な伸び6739-011-1.jpg
 財務省が、平成27(2015)年度の国際収支状況を発表しました。
重要な指標の一つ、海外との総合的な取引状況を示す「経常収支」は、17兆9752億円の黒字で、前年度(8兆7245億円の黒字)の2倍超となる大幅な伸びでした。
長引く原油価格の下落で「貿易収支」が5年ぶりに黒字転換したことが最大の理由ですが、経常収支の中身を詳しく見ると不安も残ります。

貿易収支は引き続き黒字!
 経常収支の内訳を見てみましょう。平成27(2015)年度の貿易収支は6299億円で、引き続き黒字。輸出額は73兆1355億円で、3年ぶりの減少も、3.3%にとどまりました。
一方、輸入額は11.8%減の72兆5057億円で、6年ぶりに前年度を下回りました。
中国経済の悪化がアジア圏の新興国全体に及んでいて、鉄鋼などの市況も悪化したままの状態であることを考えれば、今回の経常収支の黒字は細かな対応など努力の結果と評価できます。

東日本大震災以前はモノの貿易が柱
 ただし、内容が気になります。
平成22(2010)年度の東日本大震災以前を基準にすれば、日本経済はモノの貿易が柱でした。
しかし、5年が過ぎ、現在の日本経済の牽引力は、「原油安」と「企業の海外展開(M&Aほか)」「訪日観光客の増加」の3点です。
つまり、純粋にモノを売り買いして付加価値を付けて成立していた貿易収支が、「投資やサービス」へ移っているのです。

現在の経済状態は”変動”に弱い
 たとえば、サービス収支のなかの「旅行収支」は、訪日外国人観光客の増加を受けて、1兆2731億円の黒字でです。
比較可能な平成8(1996)年度以降では過去最大の黒字です。ただし、こうした経済実態は円高など為替や原油価格の変動など、海外の事情に左右され足元が弱いとされています。
好調な稼げるもので稼ぎつつも、設備投資や雇用の維持などで国内を経済を安定成長させるなど「足元」を固めることがこれからの日本にとってとても大切です。

[2016.5.17]

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国際収支状況(国際収支統計):
居住者と非居住者の間で行われた対外経済取引(財貨、サービス、証券等の各種経済金融取引、それらに伴って生じる決済資金の流れ等)を体系的に記録した統計

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